2014 Fiscal Year Research-status Report
癌間質由来マルチバイオマーカー探索による早期去勢抵抗性前立腺癌予測システムの構築
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26861266
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐々木 豪 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (20644941)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 線維芽細胞 / アンドロゲン除去療法 / 血中PSA / ゼノグラフト / 増殖因子 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
三重大学倫理委員会の承認のもと、前立腺手術標本または前立腺生検組織から前立腺間質細胞の初代培養を行った。得られた組織の病理結果から、初代培養した前立腺線維芽細胞細胞は、前立腺癌関連線維芽細胞12例、正常前立腺線維芽細胞4例に分けられた。つぎに、それら前立腺線維芽細胞の産生する増殖因子・サイトカインをReal-time PCR法、ELISA法を用いて性状解析を行った。Real-time PCR法ではCollagen, TN-C, αSMA, EGF, FGF2, FGF7, HGF, IGF-1のmRNA遺伝子発現を比較し、ELISA法では培養上清中のVEGF, IL6, TGFβ1産生量を比較した。得られた結果は、TN-Cは有意差をもって前立腺癌関連線維芽細胞でmRNA発現上昇を認め、VEGF, TGFβ1産生量は有意差をもって前立腺癌関連線維芽細胞で分泌増加を認めた。Collagen, αSMA, EGF, FGF2, FGF7, HGF, IGF-1のmRNA遺伝子発現とIL6産生量は一定の傾向は確認できなかった。TN-C, VEGF, TGFβ1は癌の悪性化、浸潤、転移、上皮間葉移行、血管新生などに関与することが報告されており、今後は今回得られた間質細胞と前立腺癌細胞(アンドロゲン依存性LNCaP細胞、アンドロゲン低感受性E9細胞、アンドロゲン非依存性AIDL細胞)を組み合わせることで検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、前立腺生検標本より癌間質を初代培養することで、市販されている正常前立腺間質細胞と性質の異なる癌関連線維芽細胞を得ることができた。また、これらの性状解析を行うことで、癌間質由来バイオマーカー候補を絞り込むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、初年度に得られた前立腺癌関連線維芽細胞と前立腺癌細胞との共培養および動物移植モデルを用いて、癌間質由来バイオマーカー候補のうち、どの因子が癌の悪性化に関与しているかを検討する予定である。
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Research Products
(7 results)