2015 Fiscal Year Annual Research Report
腎移植拒絶反応における血中ケモカインの動態解析と新規バイオマーカーへの応用
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26861269
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 和明 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10648017)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 腎移植 / 拒絶反応 / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
MHCの異なるDAラットとLEWISラットを用いて、ラット腎移植急性細胞性拒絶反応モデルを作成し、またその比較としてLEWISラット同士で腎移植を行った同種腎移植モデルを作成した。これらのモデルを使用し、拒絶反応の新規バイオマーカーと確立するため、ケモカインの発現について検討を行った。まず、両群の移植腎を移植後1日目、3日目、5日目に採取し、定量化RT-PCRを行った。拒絶反応に関係するケモカインとして、Tリンパ球やマクロファージ関与するケモカインを抽出し、CCL2、CCL3 、CCL4 、CCL5、CCR2、CCR5、CXCR3、CXCL9、CXCL10、CXCL11について測定した。その結果、急性細胞性拒絶反応モデルでは移植後1日目よりCCL5が有意に上昇し、移植後3日目からCCL2、CCL3、CXCL10が有意に上昇していた。移植後5日目になるとCCL4、CCR2、CCR5、CXCL9、CXCL11でも有意な上昇を認めた。より早期から上昇する項目がバイオマーカーとして適すると考え、CCL2、CCL3、CCL5、CXCL10の血清中濃度を測定することとした。測定にはフロサイトメトリーを利用したベイバイオサイエンス社のHQLEXを使用し、ラット血清中のケモカインの発現を解析した。ラット血清ではCCL2、CCL3、CCL5の血中濃度は拒絶反応モデルと同種腎移植モデルで、有意な差を認めなかった。CXCL10については、うまく測定できておらず、現在条件を検討している。
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