2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26861274
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武内 在雄 九州大学, 大学病院, 助教 (30586756)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / BCG |
Outline of Annual Research Achievements |
筋層非浸潤性膀胱癌に対するBCG膀胱内注入療法は広く行われているが、その抗腫瘍効果発現の機序の一つとしてBCG療法により膀胱に誘導される好中球の重要性が報告されており、またインターロイキン(IL)-15が好中球誘導に大事なファクターであることも報告されている。IL-15を恒常的に産生するBCG株(BCG-IL-15)を作成し、このBCG-IL-15を使用し、その抗腫瘍効果について解析、検討を行った。C57BL/6(B6)マウスの膀胱内にMB-49(mouse bladder tumor)を注入した。翌日よりBCG-IL-15、BCG、PBSの一週間毎(Day1, 8, 15, 22)膀胱内注入を行った。また研究ではgamma-delta T(gdT)細胞ノックアウトマウス、抗Gr-1抗体投与B6マウス用いた。 BCG-IL-15群はBCG群の生存より有意に延長した。day23の膀胱内浸潤細胞を解析したところgdT細胞、好中球がBCG-IL-15治療群で増加していた。さらに抗Gr-1抗体投与により好中球を除去することでBCG-IL-15治療群の抗腫瘍効果は消失したことから、好中球の重要性が確認された。また、BCG-IL-15治療マウスはgdT細胞よりのIL-17の産生上昇が見られ、このことが好中球誘導の大事な役割を果たしていることが示唆された。 しかし結果的にはBCG-IL-15療法、BCG療法に双方において細胞障害性CD8+T細胞(CTL)に代表されるような獲得免疫細胞が癌細胞を直接(または間接的)に働きかけている証拠を見出せなかった。このことの理由を突き止めること、また発展させることが今後の研究課題である。
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