2014 Fiscal Year Research-status Report
機能性RNAネットワーク解析に基づく腎癌低酸素耐性機構の解明
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26861276
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
千代丸 剛 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60593796)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 腎細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、低酸素状態における腎癌のマイクロRNA発現プロファイルを作成し、発現変動するマイクロRNAを基点とした分子ネットワークの解明を目指している。低酸素培養条件化の腎癌細胞株からマイクロRNA発現プロファイルの中でmiR-23b/27bクラスターmiRNAに着目し、その機能解析と標的遺伝子の探索を行った。腎細胞癌(淡明細胞癌)61検体と正常腎組織61検体においてmiR-23b/27bの発現を測定した。また臨床病理学的所見や予後と、miR-23b/27bの発現の関連について解析を行った。miR-23b, miR-27b導入腎癌細胞株を用いて細胞機能解析を行った。in silico解析にてmiR-23b/27bの標的遺伝子の探索を行った。miR-23b/27bの発現は、正常腎に比べ、癌組織で有意に低下していた(P < 0.0001, P < 0.0001)。深達度がpT3以上であった群はpT2以下であった群に比べ(P = 0.0241, P = 0.0241)、異型度(grade)がG3の群ではG2以下の群に比べ(P = 0.0233, P = 0.0233)、それぞれmiR-23b/27bの発現が有意に低値であった。miR-23b/27bの発現が高値であった群は低値であった群に比べ、有意な全生存期間の延長が認められた(P = 0.0183, P = 0.0253)。miR-23b, miR-27bを腎癌細胞株に核酸導入すると、増殖・遊走・浸潤能の抑制効果を認めた。in silico解析にてmiR-23b, miR-27bは、いずれもcytokine-cytokine receptor interaction pathwayに属する遺伝子群に強く関与することが明らかとなった。このpathwayに含まれるmiR-23b, miR-27bの共通の標的候補遺伝子には、EGFR・METなどのがん遺伝子が含まれていた。miR-23b/27bクラスターは、腎細胞癌で発現が抑制されており、癌抑制的microRNAとして機能することが示唆された。また、これらのmicroRNAの発現測定は腎細胞癌予後予測因子として有用である可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低酸素培養条件化の腎癌細胞株におけるマイクロRNA発現プロファイルから癌抑制microRNAを見出し、論文化することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
miRNA-mRNAの分子ネットワークから低酸素環境下で浸潤・転移に関わる標的分子を選択し、低酸素下腎癌の新たなシグナル伝達を明らかにすることで、活性化されているシグナル伝達を遮断するマイクロRNAを選別していく。効果的なシグナル伝達遮断部位を探索し、分子標的薬や既存の薬剤でそのターゲット遺伝子(シグナル伝達遮断部位)を阻害するものがあれば併用効果を確認する。細胞株における抗腫瘍効果を確認後に、in vivoで複数の腎癌細胞株への添加実験を目指す。
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[Journal Article] Expression of the tumor suppressive miRNA-23b/27b cluster is a good prognostic marker in clear cell renal cell carcinoma.2014
Author(s)
Ishihara T, Seki N, Inoguchi S, Yoshino H, Tatarano S, Yamada Y, Itesako T, Goto Y, Nishikawa R, Nakagawa M, Enokida H.
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Journal Title
The Journal of Urology
Volume: 192
Pages: 1822-1830
DOI
Open Access / Acknowledgement Compliant
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