2014 Fiscal Year Research-status Report
浸潤性膀胱がん発生に関わるUQCRBをターゲットとした治療法の開発
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26861286
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 健司 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80566232)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | UQCRB / Bladder cancer / carcinogenesis |
Outline of Annual Research Achievements |
膀胱発がん動物モデルで同定されたCNA領域におけるヒトとの相同性について、データーベースを用いて検討を行い、ヒトとの相同性が判明している領域より、マウス染色体13領域のUqcrbに着目し、そのorthologにあたるヒトのUQCRB遺伝子を中心として本研究を進めることとなった。UQCRBはミトコンドリアの複合体Ⅲを形成するサブユニットの1つで、低酸素状態における血管新生に活性酸素種を誘導することを介して固形がんの進行に関与するという報告も成されているため、 ヒト膀胱がん細胞株でsiRNAを用いて膀胱がん細胞株のUQCRBのノックダウンを行うことで、浸潤性膀胱がんの発症のメカニズムを解明することを目的とした。 当研究室にて保管しているヒト膀胱がん由来の細胞株 (RT4, T24)を用いて機能解析を行った。UQCRBのsiRNAをリポフェクション法を用いて導入することで標的遺伝子をノックダウンし、RT-PCR法、Western bloting法でノックダウンの効率を確認した。 HIF1aの発現をWestern blotting法で確認したが有意な差は見られなかった。 そのため低酸素状態にてインキュベートすることで、血管新生関連タンパクであるHIF1αの発現を確認し、低酸素状態での検討を追加した。UQCRBをノックダウンし低酸素状態にてインキュベートすることで、HIF1aのタンパク発現には有意な差を認めなかった。低酸素状態でのインキュベート時間やノックダウン効率の問題であるのか現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
UQCRBのノックダウン効率が安定しないこと、また低酸素状態でのインキュベート時間の検討が十分でないことより、Western blotting法でのタンパク発現量の再現性に乏しい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、ヒト細胞株を用いてUQCRBをノックダウンすることで機能解析を行う。Western blotting法だけでなく、蛍光免疫染色での細胞数カウント、フローサイトメトリーも考慮する。 この研究を発案するに至った膀胱癌マウスを用いての免疫染色でHIF1aのみではなく、iNOS、VEGFなどの血管新生関連タンパクを染色してみることで打開策を講じる。また、凍結標本よりタンパクを抽出してのWestern blotting法やRT-PCR法を用いての検討も考えている。 さらに当科で保管しているヒト膀胱がん標本を用いてUQCRBのCNAおよびタンパク発現を全摘標本とそれ以前に行われたTUR組織で比較することでその経時的変化を確認する。 その結果によってはUQCRBをターゲットとした治療薬であるTerpestatinやHDNTを用いてのin Vitro、in Vivoの実験を行う予定である。
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