2015 Fiscal Year Research-status Report
月経関連疾患に対する遺伝・環境・生活習慣の関連および妊娠分娩経過による影響
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26861305
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 善 東北大学, 大学病院, 助手 (40722567)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 月経前症候群 / 月経困難症 / エコチル調査 / 精神的ジストレス / 月経異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に公開された一次固定データから全国10,228人(内宮城ユニットセンター1,094人)の妊婦を対象として、基礎属性を調査した。一次固定データの含まれる母親の大半が妊娠前もしくは妊娠中に東日本大震災を経験していたことから、分娩後再開する月経に対する諸症状に影響しうる精神状態にも影響している可能性について検討を行った。 東日本大震災後3か月から9か月の期間において、妊婦の精神的ジストレスを調査し、甚大な被災を被った宮城県と直接被害の少ないその他の地域を比較した。一次固定データ(10,129組の夫婦)を用い、基準を満たす7,473組(内、宮城ユニットセンター998組、宮城と福島を除いたその他の13ユニットセンター6,475組)のデータを抽出し、精神的ジストレスに対する尺度であるKessler 6-item psychological distress scale (K6)とストレス要因であるnegative life eventsについて解析した。 その結果、宮城ユニットセンター、特に沿岸部では、K6高得点獲得者の頻度は高く、negative life eventsを経験していた妊婦も多かった。さらに東日本大震災直後において、妊婦はnegative life eventsを経験することで精神的ジストレスのリスクが増大するということが確認されたとともに、negative life eventsの経験に関わらず、被災地、特に津波被害が甚大であった地域で生活することでそのリスクを増大していたということが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度には一次固定データでの解析について英文論文1編と海外学会発表1回を行った。 一次固定データの解析をもとに、平成27年末に公開された全国調査の二次固定データ(65,959組)の基礎データを解析している。 追加調査については、全ての同意者において産後に再開した月経および月経異常の情報が集まり、現在公開用データを入力している。
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Strategy for Future Research Activity |
全同意者の妊娠分娩情報の揃った全国調査三次固定データが平成28年度春に公開される見込みである。2次固定データとの照合とし、解析を進める予定である。 加えて、追加調査における分娩後再開した月経についてのデータ公開は、平成28年度後半になると予想され、公開された後、全国調査と合わせて本解析を進め、結果を公表、論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
エコチル調査での研究にかかる分担経費(人件費、印刷費、郵便費など)の一部について、調整を翌年に持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度末までにエコチル調査追加調査の全経費の分担を調整し、本研究にかかる分担経費が計上される。 また、学会参加および論文執筆にかかる費用に使用する計画である。
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[Journal Article] Psychological distress during pregnancy in Miyagi after the Great East Japan Earthquake: The Japan Environment and Children's Study2016
Author(s)
Watanabe, Z. Iwama, N. Nishigori, H. Nishigori, T. Mizuno, S. Sakurai, K. Ishikuro, M. Obara, T. Tatsuta, N. Nishijima, I. Fujiwara, I. Nakai, K. Arima, T. Takeda, T. Sugawara, J. Kuriyama, S. Metoki, H. Yaegashi, N. Japan, Environment Children's Study, Group
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Journal Title
Journal of affective disorders
Volume: 190
Pages: 341-348
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Pregnant Women Had the Risk of Psychological Distress in Miyagi After the Great East Japan Earthquake: The Japan Environment and Children’s Study (JECS)2016
Author(s)
Watanabe, Z. Iwama, N. Nishigori, H. Nishigori, T. Mizuno, S. Sakurai, K. Ishikuro, M. Obara, T. Tatsuta, N. Nishijima, I. Fujiwara, I. Nakai, K. Arima, T. Takeda, T. Sugawara, J. Kuriyama, S. Metoki, H. Yaegashi, N. Japan, Environment Children's Study, Group
Organizer
The 63rd Annual Meeting of the Society for Reproductive Investigation
Place of Presentation
Montreal, Canada
Year and Date
2016-03-16 – 2016-03-19
Int'l Joint Research