2015 Fiscal Year Research-status Report
in vivo 蛍光イメージングを利用したHPV感染細胞可視化の試み
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26861321
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
品川 明子 福井大学, 医学部, 助教 (90444223)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子宮頸がん / HPV感染 / 蛍光分子イメージング / ICG |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「HPV感染により癌化した子宮頸部細胞をin vivo蛍光イメージングを応用して可視化すること」である。 本年度は、1. 昨年度に作製した「ICGと抗体の蛍光分子イメージングプローブ」の再現性を確認し、より最適な標識率を検討することから行なった。さらに、2. そのプローブにより、HPV感染培養細胞を用いて、抗ICG修飾抗体がEGFRと結合することの確認を行なった。現在は、3. 動物を用いた実験の準備を進めている段階である。 1については、ICGが抗EGFR抗体と結合し、子宮頸がん組織で機能することは確認できた。昨年度同定した抗EGFR抗体:ICGの標識率で、再現性高く確認できるかをフローサイトメトリーで複数回検証し、より最適な標識率を同定可能となった。 2については、HPV感染子宮頸がん細胞(Hela細胞)を用いて、蛍光抗体法でEGFRが膜表面に発現しているかどうかを、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。結果、細胞膜に点在する形で存在していると考えられた。「蛍光顕微鏡に冷却CCDカメラを伴ったシステム」を用いて、画像処理システムを併用することにより、より高い解像度とコントラストを得ることが出来、きわめて微弱な蛍光も観察可能であった。現在は、抗ICG修飾EGFR抗体がブロッキングされた状態の観察を、確実に行なえるような実験をすすめている。 3については、マウスの皮下に、①Hela細胞もしくは②EGFR発現をノックダウンしたHela細胞を、それぞれインジェクションして腫瘍を形成し、腫瘍に直接抗ICG修飾EGFR抗体を添加してin vivo イメージングで観察し、さらに、蛍光レベルと病理組織所見との比較を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光分子イメージングプローベの最適化の確認や、ICGフィルターを用いた蛍光顕微鏡での抗ICG修飾EGFR抗体の観察は順調に進んでいるが、当初の予定よりも、動物を用いた実験の開始が遅れている。現在準備中であり、間もなく開始できる状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画として、当初の予定通り、1,動物モデルを用いた実験、さらには2,ヒトにおける方法の確立をめざしたい。 1では、マウスの皮下に、①Hela細胞もしくは、②標的蛋白EGFRをsiRNAでノックダウンしたHela細胞を、それぞれインジェクションして腫瘍を形成させる。腫瘍に直接、抗ICG修飾EGFR抗体を添加し、「小動物蛍光画像観察用のin vivo リアルタイムイメージング装置」を用いて、蛍光レベルを解析する。 さらには、蛍光レベルと病理組織所見と比較することで、in vivoで抗ICG修飾EGFR抗体が病変の拡がりを反映しているかを評価する。 2では、ヒトにおいての検出器の作製、および蛍光部位の組織学的な検討を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
動物実験が来年度4月に及ぶ可能性が予想されたため、4月分の経費に使用したいと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
間もなく動物実験が開始し、皮下に腫瘍を形成し、in vivo 蛍光イメージングで観察する。そののち、蛍光レベルと組織学的な病変の比較を行う予定である。
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