2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規子宮内膜症マーカーの産生メカニズムに関する基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
26861331
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鍋田 基生 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (80444751)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / 血清マーカー / 抗PDIK1L自己抗体 / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】以前、血清抗PDIK1L自己抗体が子宮内膜症の新たな血清マーカーとなりうることを報告した。抗PDIK1L自己抗体は従来の血清マーカーであるCA125と併用することで診断感度を高めることが可能であり、臨床的有用性が高いことが示唆された。しかし、PDIK1Lはその生物学的意義さえ全く不明である。子宮内膜症などにおけるPDIK1Lの組織発現を免疫組織染色法で解析した。 【方法】正常子宮内膜、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮内膜異型増殖症、子宮体癌(類内膜腺癌)、卵巣癌(類内膜腺癌、明細胞腺癌、子宮内膜症悪性転化明細胞腺癌)の手術摘出組織を材料とした。ホルマリン固定パラフィン包埋切片を検体とし、抗PDIK1L抗体を1次抗体としたポリマー法にて染色した。本研究は倫理委員会の承認とinformed consentを得て行った。 【成績】PDIK1Lの組織発現強度をImmunostaining score(0: 陰性、1: 弱陽性、2: 中等度陽性、3: 強陽性)で評価した。子宮内膜症では94.7% (18/19) がScore 2以上で、52.6%がScore 3の強陽性であり、PDIK1Lは子宮内膜症組織に強く発現していた。一方、正常子宮内膜では41.2% (7/17)がscore 1以下であったが、52.9% (9/17)はscore 2であった。子宮腺筋症では66.7% (8/12)がscore 1以下で染色強度は弱く、PDIK1Lの発現をわずかに認めるのみであった。子宮内膜異型増殖症、子宮体癌では全ての症例がscore 2、卵巣癌でも全ての症例でscore 2以上であった。 【結論】正常子宮内膜、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮内膜異型増殖症、子宮体癌、卵巣癌組織にPDIK1L抗原が発現しており、特に子宮内膜症組織に強く発現していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)