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2014 Fiscal Year Research-status Report

婦人科悪性腫瘍の転移を制御するGPCRシグナルの解析

Research Project

Project/Area Number 26861332
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

八木 裕史  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70623552)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
KeywordsGPCR / Rho / 転移 / 細胞増殖
Outline of Annual Research Achievements

Gタンパク共役受容体(G protein-coupled receptors, GPCRs)は細胞膜7回貫通型の受容体で、リガンドが結合することにより構造変化が生じ、Gタンパクの活性化を介して細胞内にシグナルを伝達します。癌の進展には様々なGPCRシグナルが関与していることが知られていますが、近年の研究成果からGPCRだけでなく、細胞内のGタンパク自体の過剰発現や遺伝子変異も重要な役割を果たしていることが明らかとなってきました。私たちはこれまで、癌細胞の浸潤、転移におけるGPCR-Ga12/13-Rhoシグナルの役割について解析を行ってきましたが、本研究では、GPCR-Rhoシグナルが癌の進展を制御するメカニズムについてさらに詳細な解析を行っています。
まず、様々な卵巣癌細胞株を用いて、Ga12/13-Rhoシグナルの活性化が細胞増殖および細胞浸潤に及ぼす影響についてin vitroの解析を行いました。その結果、乳癌細胞株や前立腺癌細胞株と異なり、卵巣癌細胞株においてはGa12/13-Rhoシグナルは細胞浸潤ではなく細胞増殖を制御していることが明らかとなりました。しかし、Ga12/13-Rhoシグナルの活性化が細胞増殖を制御するメカニズムはこれまで十分明らかにはなっていません。そこで我々は、GPCRおよびGタンパクの遺伝子変異体を用いて、G12/13シグナルだけを細胞内に再構築できる実験系を確立し解析を進めています。その結果、臓器のサイズを制御するシグナルとして知られているHippoシグナル経路の中心的分子であるYAPが、Ga12/13-Rhoシグナルの下流で活性化してることが示されました。現在、in vivoマウスモデルを用いた解析を進めています。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

卵巣癌細胞株において、Ga12/13-Rhoシグナルの活性化は、乳癌や前立腺癌と同様に細胞浸潤を制御していることを予想していましたが、興味深いことに細胞浸潤ではなく細胞増殖を制御していることが明らかとなりました。それに伴って当初の計画を変更し、卵巣癌においては、Ga12/13-Rhoシグナルが細胞増殖を制御するメカニズムについて解析を行っています。 また、GPCRのひとつであるGPR56の機能解析を行うために、GPR56の様々な遺伝子変異体の作成を行っています。しかし、遺伝子変異に伴うGPR56の3次元構造の変化が原因で、予定通りにGPR56遺伝子変異体の作成が遂行できていません。

Strategy for Future Research Activity

卵巣癌細胞の増殖におけるGPCR-Ga12/13-Rhoシグナルの役割について、in vivoマウスモデルを用いた解析を進める予定です。子宮頸癌および子宮体癌についても、細胞増殖において卵巣癌細胞と同様のメカニズムが働いているかを解析する予定です。
また、GPR56遺伝子変異体の作成が完了次第、GPR56の制御する細胞内シグナル伝達経路の解析を開始する予定です。さらに、婦人科癌の細胞増殖および細胞浸潤にGPR56およびGPR54シグナルが及ぼす影響についてin vitroの解析を行う予定です。

Causes of Carryover

in vitroでの解析が予定より遅れており、マウスモデルを用いたin vivoでの解析が施行できていないため

Expenditure Plan for Carryover Budget

in vitroでの解析が終了次第、マウスモデルを用いたin vivoでの解析を開始する予定です。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Uterine myxoid leiomyosarcoma with tumor embolism extending into the right atrium2015

    • Author(s)
      Imai H, Yagi H, Okugawa K, Kenjo H, Ohgami T, Kawano Y, Kaneki E, Ichinoe A, Asanoma K, Yahata H, Sonoda K, Kobayashi H, Kaku T, Kato K.
    • Journal Title

      Case Rep Obstet Gynecol

      Volume: 31 Pages: 316262

    • DOI

      10.1155/2015/316262.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Pre-clinical study of BK-UM, a novel inhibitor of HB-EGF, for ovarian cancer therapy.2014

    • Author(s)
      Pre-clinical study of BK-UM, a novel inhibitor of HB-EGF, for ovarian cancer therapy. Nam SO, Yotsumoto F, Miyata K, Suzaki Y, Yagi H, Odawara T, Manabe S, Ishikawa T, Kuroki M, Mekada E, Miyamoto S.
    • Journal Title

      Anticancer Res

      Volume: 34 Pages: 4615-20

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] The role of GEP oncogene, Ga12 and Ga13, in the progression of ovarian cancer2014

    • Author(s)
      Yagi H, Sonoda K, Kato K
    • Organizer
      第73回日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2014-09-25 – 2014-09-27
  • [Presentation] The role of GEP oncogene, Ga12 and Ga13, in the progression of ovarian cancer2014

    • Author(s)
      Yagi H, Sonoda K, Kato K
    • Organizer
      第66回日本産科婦人科学会学術講演会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2014-04-18 – 2014-04-20

URL: 

Published: 2016-06-01  

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