2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26861358
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金谷 佳織 東京大学, 医学部附属病院, 登録臨床員 (90456129)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マクロファージ / 嗅上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルス感染時の嗅粘膜免疫応答に伴う自己組織の障害を解析するため、昨年度Toll-like Receptor7の人工リガンドであるLoxoribineおよびResiquimod(R848)を24時間毎に3日間マウスに経鼻投与し、嗅粘膜への炎症細胞浸潤、嗅粘膜の形態学的変化を免疫組織学的に解析したが点鼻開始後3日目、9日目の時点で明らかな炎症細胞浸潤は認められず、嗅粘膜の構造変化も認められなかった。本年度はリガンドの投与量を増加したり、他社のリガンドを用いて同様の検討を行ったがいずれも変化は得られなかった。 嗅上皮傷害後の組織再生におけるマクロファージの関与を解析するため昨年度clodronate liposomeの腹腔内投与および経鼻投与によりマクロファージ枯渇モデルを作成し、メチマゾールによる嗅上皮傷害後の組織再生がマクロファージ枯渇群で有意に不良であったことが示された。また基底細胞においてKi67陽性細胞も減少しており細胞増殖能も低下していることが示された。本年度は分子生物学的解析を行うため、マクロファージが放出するとされる各種細胞増殖因子や神経栄養因子(TGFα、NGF,BDNF)についてELISA法を用いてマクロファージ枯渇群とコントロール群で比較した。TGFα,BDNFに関しては有意差は認められなかった。NGFでは有意差は得られなかったがマクロファージ枯渇群で減少している傾向があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TLR7の人工リガンドの経鼻投与実験において変化が認められず、再検討を繰り返し時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロファージが放出する細胞増殖因子・神経栄養因子に関して個体数を増やして再度検討を行う。今回検討していない因子(IGF-1など)についても解析予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進行が遅れたため、データが不十分であり学会発表や論文作成を年度内に行うことができなかった。また必要な試薬の購入を次年度に回すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表の旅費、論文作成にかかわる経費、試薬・機器の購入などに使用予定である。
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