2016 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌に対する化学放射線治療後の新しいPET検査による評価の検討
Project/Area Number |
26861361
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
呉 明美 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (20368088)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | Cu-ATSM-PET / FDG-PET / FLT-PET / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
当科における頭頸部癌患者のstageⅢ以上を対象に、治療前にFDG-PET-CT検査、Cu-ATSM-PET検査、FLT-PET検査で評価し、術前放射線治療後に再度各検査を行うことを目標としていた。Cu-ATSMの他施設からの供給が終了し、当施設でCu-ATSMを製造し、臨床研究に使用するに当たり、本学の高エネルギー医学研究センターにて以下の実験を行った。まず安定同位体であるNi-64を院内小型サイクロトロン(EclipseRDS HP/RD, 11 MeV, Siemens)にてプロトン照射しCu-64の製造を行った。その後、得られたNi-64/Cu-64混合物を6 M塩酸中100℃で溶解させ、陰イオン交換樹脂AG 1-X8(100-200 mesh, chloride form, Bio-Rad)と塩酸を用いてNi-64およびCu-64の分離精製を行った。Cu-64は0.1 M塩酸で回収後、蒸発乾固し、生理食塩水に再溶解させた。次いで、基質となるATSM/DMSO溶液を加え標識反応を行い、滅菌フィルターに通じて無菌バイアルに回収してCu-64 ATSM製剤とした。この製剤について、3ロット試験を行い、院内品質基準を満たしていることが確認された。さらに製剤の毒性を検討するため、マウスを用いた急性毒性試験を行った。雌雄ddYマウス(6週齢、各n=4)に体重換算でヒト常用量の100倍を投与して14日間にわたり観察した。また、コントロールとして別のマウス群(雌雄各n=4)に生理食塩水を投与し同様に観察を行った。その結果、全ての動物において死亡例およびけいれん等の中毒症状は認められず、体重増加についても異常はなかった。観察後、全ての動物について剖検を行い、主要臓器について肉眼的観察および重量測定をしたところ、いずれの動物においても異常は認められなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Cu-ATSM検査のためのCu-ATSMの他施設からの供給が終了し、当施設でCu-ATSMを製造し、臨床研究に使用するためのCうーATSMの院内品質基準検査、およびマウスを用いた急性毒性試験に時間を要したので、臨床研究の再開を見合わせていた。
|
Strategy for Future Research Activity |
院内でのCu-ATSMの製造、臨床使用が可能になったので、当初の予定通り当科における頭頸部癌患者のstageⅢ以上を対象に、治療前に問う代謝を反映するFDG-PET-CT検査、また低酸素領域を表すCu-ATSM-PET検査、さらに核酸合成を示すFLT-PET検査で評価し、術前放射線治療後に再度各検査を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
Cu-ATSM検査のためのCu-ATSMの他施設からの供給が終了し、当施設でCu-ATSMを製造し、臨床研究に使用するためのCうーATSMの院内品質基準検査、およびマウスを用いた急性毒性試験に時間を要したので、臨床研究の再開を見合わせていた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
院内でのCu-ATSMの製造、臨床使用が可能になったので、当初の予定通り当科における頭頸部癌患者のstageⅢ以上を対象に、治療前にFDG-PET-CT検査、Cu-ATSM-PET検査、さらに核酸合成を示すFLT-PET検査で評価し、術前放射線治療後に再度各検査を行う予定である。
|