2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26861363
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
菅野 真史 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (90444215)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 甲状腺機能低下症 / 多能性幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は甲状腺ホルモンの再生細胞を多能性幹細胞より誘導し、安全に生体内で機能させるというものである。甲状腺機能低下症は橋本病などの疾患によるものや、甲状腺手術による2次的なものなど生じる原因は多く、患者数は全国で60万人と推定されている。甲状腺ホルモンが不足すると身体機能が低下し多様な臨床症状を呈するため、治療が必要である。甲状腺機能低下症の治療法として、甲状腺ホルモンの投与を行うことしか確立されておらず、再生医学による根治治療が確立されれば医療に寄与する貢献度は非常に高いものとなる。 本年度はマウスiPS細胞から甲状腺ホルモン産生細胞を作成する研究を行った。ES細胞と同様にLIFを除いた培地で浮遊培養し細胞の集合体(胚様体)を形成させた。胚様体は分化誘導の源となり、胚体外内胚葉や原始外胚葉へと分化する能力を持つ。 続いて作成した胚葉体を甲状腺濾胞細胞へと分化誘導することを試みている。まず、胚葉体形成後4日目にてDoXインダクションにてNKX2.1とPAX8を発現させ、7日目より3次元培養を行いTSHを持続的に作用させることで甲状腺ホルモン産生細胞が作成されると考えている。 しかし、3次元培養からの甲状腺ホルモン産生細胞への誘導が困難を極めている。現在この系に甲状腺刺激ホルモンの他にも、インスリン、ヨウ化カリウム、thyroid transcription factor-1、PAX-8等を作用させ甲状腺ホルモン産生細胞の作製に尽力している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3次元培養からの甲状腺ホルモン産生細胞への誘導が困難を極めている。現在この系に甲状腺刺激ホルモンの他にも、インスリン、ヨウ化カリウム、thyroid transcription factor-1、PAX-8等を作用させ甲状腺ホルモン産生細胞の作製に尽力している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在この系に甲状腺刺激ホルモンの他にも、インスリン、ヨウ化カリウム、thyroid transcription factor-1、PAX-8等を作用させ甲状腺ホルモン産生細胞の作製に尽力している。分化誘導後は甲状腺ホルモン産生細胞のマウス腎被膜下移植を予定している。使用するマウスは橋本病モデルマウス(NODマウス)、免疫抑制下のNODマウス、免疫不全マウス(SCIDマウス)、甲状腺全摘後のSCIDマウスの4種を想定している。 血中のホルモン濃度測定及び、組織固定を行い生着及び成長を確認しヒトへのフィードバックを行う。
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Causes of Carryover |
分化誘導実験及びマウスを用いた動物実験の遅延による。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
甲状腺ホルモン産生細胞のマウス腎被膜下移植を予定している。使用するマウスは橋本病モデルマウス(NODマウス)、免疫抑制下のNODマウス、免疫不全マウス(SCIDマウス)、甲状腺全摘後のSCIDマウスの4種を想定している。この動物実験費に使用する。血中のホルモン濃度測定及び、組織固定を行い生着及び成長を確認しヒトへのフィードバックを行う。各試薬や解析費に使用する。
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