2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26861363
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
菅野 真史 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (90444215)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ES細胞 / 幹細胞 / 甲状腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、再生の研究は細胞レベルから組織レベルへと発展してきている。多くの体細胞へのマスター遺伝子が解明され、ES細胞やiPS細胞等の幹細胞からの分化誘導が可能となっている。しかしながら、その手順が体系的に一般化された細胞はまだ少なく、組織再生に至ってはごく一部の組織で限られた機関でしか行われていない。我々は機能的甲状腺細胞への効率的な分化誘導をES細胞とiPS細胞を用いて行うことを試みた。 まずES細胞を用いて胚様体へと分化誘導した。胚様体の作成効率を上げるため、分化している細胞がほぼ0%の細胞培養液を用いた。また細胞の生存率を上げるための種々の工夫を行った。胚様体形成後4日目にNKX2.1およびPAX8を発現させた。7日目より甲状腺刺激ホルモンを添加し続け甲状腺細胞へと誘導を行った。甲状腺ホルモンに必要なヨウ化カリウムの微量添加で細胞分化の促進を試みた。形態を電子顕微鏡で確認しThyroid transcription factor-1および Paired Box-8を免疫染色で確認した。 これを同様に樹立されたiPS細胞で行った。しかしiPS細胞での甲状腺細胞への分化誘導が困難であり、この理由としてES細胞に比し誘導したEBの分化様体が不均一であり、異なった胚葉系へと分化傾向を示す細胞が混在してしまっているためと考えられた。この原因を考慮し実験を重ね、神経幹細胞への分化誘導はiPS細胞でも非常に効率よく行えることができた。現在甲状腺細胞のマウス移植実験に先んじて、神経幹細胞のマウス移植実験を行っている。
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