2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26861383
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
矢間 敬章 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (30444631)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 血管新生 / 食餌性グルコシルセラミド / 頭頸部癌 / 血管新生増殖因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト頭頸部癌から分離された腫瘍細胞株(SCCKN)をNOD/SCIDマウスの背面に移植し、SCCKN異種移植片モデルを作成した。腫瘍の生着が確認できた後、セルロースで溶解したGlu-Cer(300 mg/kg)を14日間連続経口投与した。一部の移植モデルを使用して、投薬終了後さらに14日間経過観察し腫瘍の状態を観察した。control群はセルロースのみを14日間連続投与した。経口投与終了時点で腫瘍の組織切片を作成し、血管面積の計測ならびにCD31・VEGF・VEGFR-2・HIF-1αに対する免疫染色を行った。また、血管誘導に関係するVEGF・VEGFR-2・HIF-1αの蛋白発現についてウエスタンブロット分析を行った。移植モデルマウスから採血した血漿を質量分析器にかけ、スフィンゴ脂質の血中濃度を測定した。C6-セラミドをSCCKN細胞とマウス血管内皮細胞(UV♀2)に12時間作用させた後、VEGF・VEGFR-2・HIF-1αの蛋白発現についてウエスタンブロット分析を行った。
投薬14日間目のモデルマウスは、controlと比較して有意に腫瘍が退縮した。移植片モデルの腫瘍組織免疫染色において、control群では腫瘍内への血管侵入が見られたが、Glu-Cer投与群の血管新生は抑制されていた。またVEGF・VEGFR-2・HIF-1αの蛋白発現もGlu-Cer投与群で抑制されていた。Glu-Cer投与群で、血液中には食物由来のセラミド分画は増加しておらず、生合成されたセラミド分画のみ有意に増加が見られた。in vitroではC6-セラミドにより、SCCKN細胞と血管内皮細胞双方にVEGF・VEGFR-2・HIF-1αの発現抑制効果を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の平成26年度研究計画に挙げた項目が達成されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、併用による抗腫瘍効果などの検討を進めていく。
|
Causes of Carryover |
学会発表にかかる費用や論文校正料、およびマウス飼育にかかる費用は見込みより大幅に上回ったが、物品費については従来より所持していた試薬を使用することができたため、初年度の見込みを大幅に下回った。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後使用する試薬は備蓄がなく、またマウス飼育費用が平成25年度と同様にかかることが予想され、繰越金の多くをこれに充てる必要があると予想される。
|