2014 Fiscal Year Research-status Report
活性酸素生成酵素Noxを標的とした頭頸部扁平上皮癌の治療法の開発
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26861391
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田浦 政彦 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20648026)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 活性酸素 / NADPHオキシダーゼ / Nox / 頭頸部悪性腫瘍 / 扁平上皮癌 / 甲状腺癌 / Duox |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部扁平上皮癌症例、甲状腺癌症例の病理組織を用いて免疫組織染色による実験を行う。用いる抗体は、Nox1抗体(78016)、Nox2抗体(139371)、Nox3抗体(111148)、Nox4抗体(79971)、p22phox抗体(75941)、p47phox抗体(111855)、p67phox抗体(109366)、NOXO1抗体(77092)、DUOX1抗体(78919)、DUOX2抗体(97266)である。活性酸素生成酵素Nox1~4、調整蛋白質p47phoxやp67phoxの発現を扁平上皮癌症例組織と正常症例組織の間で発現量の差を比べる。また、治療効果と活性酸素生成酵素や調整タンパク質の発現を比較する事により、活性酸素生成能が悪性腫瘍治療効果に及ぼす影響について検討する。治療抵抗性扁平上皮癌症例において活性酸素生成能が低下していることを示すことができれば、今後治療を開始する前に治療効果の推測が可能となると考えられる。 甲状腺には活性酸素生成酵素Duoxが発現していることが知られている。甲状腺癌症例と甲状腺良性腫瘍症例のDuoxの発現量を免疫組織染色を用いて評価する。甲状腺悪性腫瘍症例において活性酸素生成酵素の発現低下、活性酸素生成能低下を示すことができれば、制御された活性酸素は発癌を予防するために生体内に必要なものであることが示唆されると考えられる。 頭頸部扁平癌症例および甲状腺癌症例の血液を用いて好中球の活性酸素生成能と悪性腫瘍症例の治療効果や予後の関係を検討する。活性酸素生成能低下症例において治療抵抗性が高まっていることを示すことができれば、活性酸素生成能が癌治療の効果に深く影響していることを強く示唆する根拠となるはずである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年4月祐愛会織田病院勤務、九州大学へ通って実験を開始する予定であった。6月より佐世保共済病院へ異動となり、九州大学へ通うことは断念した。9月佐世保共済病院に倫理委員会に実験計画を申請したが「前例がない、書類の不備がある」との理由で却下となった。平成27年1月頭頸部癌症例の病理組織を用いて免疫組織染色を行うため病理医と相談、実験に協力していただけることとなった。実際に用いる抗体について病理医および病理技師と検討、まずは病理組織を用いた免疫組織染色による実験を行うこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
頭頸部癌症例の病理組織を用いて免疫組織染色を行う。Nox1、Nox2、Nox3、Nox4、p47phox、p67phox、NOXO1、NOXA1など活性酸素生成酵素Noxに関連するタンパク質の発現について、正常組織と悪性腫瘍組織の間で比較を行う。患者血液を用いた実験について病院倫理委員会に申請を行う。頭頸部癌症例白血球と正常症例白血球の活性酸素生成能の差を比較する。頭頸部癌症例では活性酸素生成能が低下していることが予想される。 当初、頭頸部扁平上皮癌症例に関する研究を行う予定であったが、扁平上皮癌症例に加えて甲状腺癌症例も実験対象に加える予定である。甲状腺癌症例の病理組織を用いて活性酸素生成酵素Duoxの発現を免疫組織染色による実験で確認する。
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Causes of Carryover |
購入予定であった抗体、活性酸素測定機器、活性酸素測定試薬をまだ購入していないためです。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Nox1抗体(78016)、Nox2抗体(139371)、Nox3抗体(111148)、Nox4抗体(79971)、 p22phox抗体(75941)、p47phox抗体(111855)、p67phox抗体(109366)、NOXO1抗体(77092)、DUOX1 抗体(78919)、DUOX2抗体(97266)、活性酸素測定機器ルミネッセンサーPSN(アトー社)、発光試薬MPEC(アトー社)
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