2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26861392
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野田 哲平 九州大学, 大学病院, 医員 (20707179)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Wntシグナル / 内耳発生 / Sfrp |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に予定していたSfrpの発現解析、および2年目に計画していたSfrpノックアウトマウスの交配についての経過報告を以下に示す。実験計画の中断に伴う実質的な研究期間は2014年4月~同年8月14日である。 Sfrpの発現を、in situ hybridizationにより解析するとともに、Sfrpと同様にWntシグナルを阻害する遺伝子であるDkk1についても解析を進めた。発生段階の内耳において、Sfrp1は胎生11日目頃より発現を開始し、胎生12~13日目には外側半規管および蝸牛の予定領域に発現する。Sfrp2は前庭の極めて狭い領域で発現し、11~13日胚の蝸牛では発現を認めなかった。Sfrp3 (Frzb)は、耳胞周囲の間葉組織で発現しており、この部分は13~14日目にかけ軟骨形成、それに引き続く骨形成を経て骨迷路を形成する部位である。Sfrp5の発現は今回調べた11~13日胚では確認できなかった。 Dkk1 (Dickkopf1)について、12日胚においてそのリガンドであるDkk1の発現を調べた。Dkk1はSfrp1の発現領域と一部オーバーラップし、蝸牛予定領域の狭い範囲で発現がみられ、前庭では発現していなかった。また、三次元再構成を行うソフトウェアを購入した。 Sfrpノックアウトマウスの交配についてはマウス系統を維持している発生再生医学分野の動物室を継続して使用した。FVBをバックグラウンドとするこの系統の多重ノックアウトマウスは攻撃性が強く繁殖が困難であり、戻し交配を検討している。
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