2014 Fiscal Year Annual Research Report
生物情報科学的手法で同定したSEPT11の頭頸部癌における機能解析、治療への応用
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26861411
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
辻川 敬裕 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (80713916)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Septinは細胞分裂、小胞体分泌、アクチン細胞骨格の制御などに関与することが知られ、多くの固形癌および造血器腫瘍で過剰発現し、腫瘍形成能、増殖能、細胞移動能の亢進に関与することから、近年、癌の治療標的として注目されている。今回、頭頸部癌組織222例、正常組織135例を対象としたweb-based bioinformaticsにより、SeptinのひとつであるSEPT11が頭頸部扁平上皮癌組織で高発現することを初めて同定し、新規治療標的およびバイオマーカーとなる可能性を探索した。初年度は、臨床検体における癌組織中のSEPT11発現量の比較およびSEPT11を高発現する頭頸部癌細胞株の同定から着手した。癌組織ならびに付属する正常組織におけるSEPT11の発現レベルを定量PCR法にて解析したところ、舌癌組織において正常組織の1.99倍の発現を認めた(n =4, paired t test: p < 0.05)。また、頭頸部扁平上皮癌細胞株3/5株におけるSEPT11のmRNA高発現を認めた。本年度中の次の段階として、免疫組織化学におけるSEPT11蛋白の発現確認、癌細胞株におけるsiRNAを用いたSept11ノックダウンによる増殖、生存、遊走、浸潤に与える影響の検討を開始したところであったが、研究代表者の海外研究機関転属に伴い、9月1日付で本補助事業を辞退させて頂き、補助事業廃止承認を受けた。
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