2014 Fiscal Year Research-status Report
コネキシン26変異を伴う遺伝性難聴病態におけるプログラム細胞死の解析
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26861420
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井下 綾子 順天堂大学, 医学部, 助教 (00514762)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GJB2(コネキシン26変異)遺伝子変異 / 先天性難聴 / 内耳コルチ器 / アポトーシス / Greater epithelial ridge |
Outline of Annual Research Achievements |
GJB2遺伝子変異は、日本人で最も高頻度、かつ高度難聴を呈する先天性難聴の原因遺伝子であるが、本質的な発症原因が不明である。我々はこれまで、GJB2遺伝子変異モデルマウス(Tgマウス)の生後のコルチ器発達障害により早期からコルチ器の細胞骨格異常を認めるために、高度難聴を呈することを実証した(Neuroscience, 2008)。また以上の結果から新たに、Tgマウスのコルチ器でGreater epithelial ridge(GER)の過形成が示唆された。GERでは通常、生後6日頃を境に急激なアポトーシスが生じ、蝸牛成熟後に消失する。本研究ではTgマウスのコルチ器をGERに焦点を絞って組織学的評価を行い、難聴の原因・病態を把握し治療法を検討することを目的とする。 現在までに行った研究内容は以下である。1、透過型電子顕微鏡を用いたGER細胞内のアポトーシス所見の発現の有無の確認。2、H-E染色切片を用いてGER内の合計細胞数、GER内のアポトーシス細胞数、GER面積の測定。3、アポトーシス実行因子である活性型caspase3の発現の有無の、免疫染色での評価。4、コルチ器三次元構築を薄切連続切片の組織学的観察とコンピュータによる再構築作業による解析。 以上の結果、現在までに得られた研究実績を以下に記す。1、Tgマウスでは生後12日においてもGER内にアポトーシス細胞を認めた。2、生後12日のTgマウスではGER面積が有意に大きく、GER細胞数とGER内アポトーシス細胞数が有意に多かった。3、生後11日のTgマウスでは活性型caspase3の発現を豊富に認めた。4、生後11日のコントロールマウスのコルチ器はほぼ成熟した形態を示したが、TgマウスのGERは未熟であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、GJB2遺伝子変異モデルマウスの内耳コルチ器のGERを中心とした細胞骨格異常の評価と、生直後から成熟期までの内耳発達過程におけるアポトーシスの評価を行い結果が順調に得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、分子細胞レベルでの難聴治療法の検討を予定したい。 具体的には、以下の点を着目する方針である。1、アポトーシス促進因子であるCaspaseをTgマウスの内耳へ注入する。注入対象Tgマウスは、生後5~8日あたりを考慮する。2、Caspase注入後は、聴性脳幹反応を用いて聴力の改善の有無を評価する。3、生後14日頃にマウスの内耳を摘出し組織切片を作成する。4、Caspase注入によってコルチ器の形態、GERのアポトーシス細胞数、面積に変化が表れるか評価する。 問題点発生時には研究協力者と随時ミーティングを開いて改善策を見出す。また問題点の領域に精通した専門家の意見を仰ぐ。研究のタイミングに合うように幼若マウスが搬入されるよう、動物繁殖研究所と密に連絡をとる
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Causes of Carryover |
研究に必要な消耗品や成果発表の為の旅費等、当初の予定と比較し、安価に抑えることができた為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の分子細胞レベルでの難聴治療法の検討に必要な備品・消耗品の購入に充てる。また、動物繁殖研究所と密に連絡をとり、研究のタイミングに合うような幼若マウスの獲得にも充当する。短期レベルで支出計画を見直しながら、研究を進めていくこととする。
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Research Products
(1 results)