2015 Fiscal Year Annual Research Report
ラットの舌の味覚受容体遺伝子(T1Rs)発現に対する亜鉛による影響の検討
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26861422
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田中 真琴 日本大学, 医学部, 助教 (00526121)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 味覚受容体遺伝子 / TAS1Rs |
Outline of Annual Research Achievements |
正常食で飼育したラットの舌の有郭乳頭部の上皮における甘味・旨味を担う味覚受容体遺伝子TAS1R1、TAS1R2、TAS1R3のmRNAの発現をRT-PCR法を用いて検討した。PrimerはTAS1R1(1345-1738 in NM_001288618.1)、TAS1R2(1401-2235 in NM_001271266.1)、TAS1R3(1228-1655 in NM_130818.1)を用いた。結果は、それぞれの遺伝子の発現がみられた。 亜鉛欠乏食で飼育したラットの有郭乳頭部の上皮において、苦味を担う味覚受容体遺伝子であるTAS2R40とTAS2R107の発現は低下し、TAS2R105、TAS2R118、TAS2R121は発現が変化しないとの報告がある。亜鉛欠乏がTAS1Rsの発現に影響を与えるかを、同様にRT-PCR法を用いて検討した。結果は、亜鉛欠乏食で飼育したラットの有郭乳頭部の上皮での発現に低下はみられなかった。ただし、RT-PCR法では、発現量の定量を行っていないので、実際に発現が正常食で飼育したラットでの発現量と変わらないのかについては、さらなる検討が必要と考えられた。 次に、ラットの味蕾内の細胞の味覚受容体遺伝子TAS1Rsの発現の局在について、in situ hybridization(ISH)を行い検討した。TAS1R1、TAS1R2、TAS1R3それぞれの遺伝子について、ISH用ジゴキシゲニン標識RNAプローブを設計・作成し、正常食で飼育したラットの舌のパラフィン切片を用いて、ISHを行った。いずれのラットでも、味蕾内の細胞に特異的なシグナルが検出され、味蕾周囲の上皮細胞には認められなかった。TAS1Rsは、味蕾内に限局して発現していることが示唆された。今後は、亜鉛欠乏食で飼育したラットでの検討を行いたいと考えている。
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Research Products
(1 results)