2016 Fiscal Year Research-status Report
新たな内耳性難聴治療法の開発 RNAiによる難聴原因蛋白Cochlinの発現抑制
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26861423
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
関根 久遠 日本医科大学, 医学部, 助教 (20566377)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Cochlin / COCH / mRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
内耳性難聴の発症機序についての解析のため、内耳に多く発現しているcochlinタンパク質に着目した。常染色体優性遺伝のDFNA9では、遺伝子の変異によりcochlinは、内耳組織で凝集・蓄積し遺伝性内耳性難聴の原因となることが判明している。一方cochlinのノックアウトマウスでは明らかな異常は指摘されておらず、変異cochlinの発現抑制することで、重大な副作用なく難聴を治療できる可能性がある。変異cochlinの発現抑制を試みることで、内耳性難聴の治療法を開発できるかの基盤研究とする。 本年度は培養細胞でのcochlin発現株の樹立のため発現ベクターを再構築し検討を行った。まず、培養が比較的容易なヒト骨腫瘍由来U2OS細胞を用いて、pcDNA6ベクターで構築したヒトcochlin発現ベクターを用いて、一過性発現が観察できるかについて検討したが、発現が確認できなかった。次にVectorBulider社の受託作製ベクターpR-hCOCHを調製し同様に細胞に導入したが発現が確認できなかった。一過性発現に問題があるのか、あるいは用いる細胞による発現抑制がおこっているのかについて検討を行うために、繊維芽細胞様細胞の一つであるCOS1細胞にこれら発現ベクターの導入を試みた。その結果、まだ発現条件の検討段階であるが、一過性発現では発現量が少ないかまたは検出できていない。これらの一過性発現に代えて、cochlinの安定発現細胞株の作製を目指して、真確細胞抗生物質であるブラストサイジンSに耐性の遺伝子を発現ベクターに組み込んで、抗生物質を用いたcochlinの安定発現株のセレクションを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養細胞から安定したcochlinの発現が確認できていない。発現ベクターのコントロールとしてcochlinと同じく分泌タンパク質であるアルカリファスファターゼ遺伝子の発現には成功しており、発現条件の最適化により改善を試みているが、時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
安定的にcochlinを発現させることが困難であれば、研究技術を提供している企業への外注も検討する。
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Causes of Carryover |
培養細胞でのcochlinの安定した発現ができず、siRNA実験まで至らなかったため、siRNA実験の試薬等の購入を行わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
培養細胞の購入、siRNA実験キットなどの購入費および実験が困難であれば外部委託費に充てる。
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