2014 Fiscal Year Research-status Report
慢性副鼻腔炎難治化におけるマクロライド耐性ブドウ球菌の関与
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26861424
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
兵 行義 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80412203)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性副鼻腔炎 / マクロライド / 薬剤耐性 / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
現在慢性副鼻腔炎は難治化しており、その中に好酸球性副鼻腔炎など長期的な炎症が引き金になっていると報告されている部分もある。そこで我々はマクロライド耐性ブドウ球菌が細胞壁の肥厚化し、形態的特徴を有しているを指摘した。その形態異常が臨床的にどのような因子があるのかを引き続き検討を行っている。 まず当院における手術症例の中でどのくらい難治性副鼻腔炎かを検討するために、術前の症状によりこれらを推測できるかも含め検討したところ、術前に嗅覚障害の主訴にある場合、また気管支喘息、そして好酸球増加している場合が当院における難治化の要因であることが分かった。これらを耳鼻咽喉科臨床学会にて報告した。 またもう一つの難治化の要因であるのはアレルギー性鼻炎の影響である。スギ花粉症時期に副鼻腔炎になる場合、スギ花粉飛散時期に症状軽快させる必要があり、スギ花粉免疫療法における効果も合わせて検討を行った。 そして、細菌学的観点から難治化の因子としてバイオフィルムの形成の有無が指摘をされている。これに関しては現在研究を遂行中であるが、当院由来の臨床分離検体に対して薬剤感受性とバイオフィルム形成能を確認する。やはり諸家の報告通り、黄色ブドウ球菌よりも表皮ブドウ球菌の方がバイオフィルム形成率は高い。また黄色ブドウ球菌においては薬剤感受性と形成能についての差はなかった。 今後バイオフィルムが形成された菌株とされていない菌株を用い表現型の違いや動物実験などにより難治化の要因になっているのかどうかを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現段階では臨床分離株の検討を終了している予定であったが、菌株採取は終わっているが、基礎実験に関して遂行している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床分離株にてバイオフィルム形成する菌株が認められ、その後動物実験において確認を行う。
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Causes of Carryover |
臨床分離株の菌株採取に手間取り、基礎実験の開始が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度はあまり遂行できなかった費用と合わせ、遠心機や培地、プライマーなどの購入にあて、ML耐性菌とバイオフィルムの産生についての遺伝子的な解析も含め行う予定としている。
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