2014 Fiscal Year Research-status Report
CD271シグナルによる下咽頭癌幹細胞制御と治療戦略への応用
Project/Area Number |
26861427
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
望月 麻衣 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), その他部局等, 研究技師 (40726303)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CD271 / 下咽頭癌 / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、下咽頭癌幹細胞マーカーであるCD271が、下咽頭がんに果たす機能の解明に取り組む。(1)機能性を検討する為、下咽頭癌細胞株BICR6へ野生型CD271(WT)、細胞内領域欠損型CD271(ΔC)発現ベクターを強制発現したところ、CD271WTでは造腫瘍能が顕著に上昇したのに対し、CD271ΔCでは造腫瘍能は減少した。このことから、CD271による造腫瘍能の制御には、細胞内のシグナルが重要であることが示唆された。(2)癌幹細胞の性質の一つに多分化能の維持がある。CD271WT発現細胞において、多分化マーカーであるNanog, Oct-4, Sox2のmRNA発現量を定量PCRで検討したところ、コントロールに比べて上昇していた。この結果から、CD271の発現が幹細胞性の維持に関わっている可能性が示唆された。(3)癌内部は酸化ストレスが強い状態にある。CD271が酸化ストレス抵抗性を持つかを調べるために過酸化水素による毒性試験を行った。この結果、CD271ΔC導入BICR6細胞ではCD271WT導入及びコントロール細胞に比べて有意に感受性が上昇していた。このことから、CD271の発現は癌細胞の生存に有利に働くことが示唆された。(4)下咽頭癌臨床検体において、CD271陽性細胞は浸潤に重要な酵素であるMMP1,MMP10を高発現している。この発現の制御がCD271によって行われているかを調査するため、CD271WTおよびΔC導入BICR6においてmRNAの発現を比較した。その結果、CD271WT強制発現細胞ではMMP1,10の発現が上昇し、逆にΔCにおいてはこれらのMMPsの発現は著しく減少した。この結果から、CD271は浸潤能の制御にも関わることが示唆された。 以上のことから、CD271は頭頸部癌において下流シグナルにより癌の浸潤・造腫瘍能を制御する可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に基づき、CD271細胞内ドメイン欠損型、変異型の発現細胞株を樹立し試験を行っている。 NOGマウスにおける下咽頭癌ラインの樹立も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り進める。
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Causes of Carryover |
超免疫マウスの解析に時間を要するため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体等消耗品試薬類及びマウス購入に充てる
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Suppressive expression of CD274 increases tumorigenesis and cancer stem cell phenotypes in cholangiocarcinoma2014
Author(s)
Keiichi Tamai, Mao Nakamura, Masamichi Mizuma, Mai Mochizuki, Misa Yokoyama, Hiroyuki Endo, Kazunori Yamaguchi, Takayuki Nakagawa, Masaaki Shiina, Michiaki Unno, Koji Muramoto, Ikuro Sato, Kennichi Satoh, Kazuo Sugamura andNobuyuki Tanaka
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 105
Pages: 667-674
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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