2014 Fiscal Year Research-status Report
シェアストレスからみた網膜静脈分枝閉塞症の病態と治療
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26861429
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
十川 健司 旭川医科大学, 医学部, その他 (50466489)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 網膜静脈分枝閉塞症 / OCTアンギオグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
光干渉断層計(OCT)にて網膜内微小循環を観察できるOCT angiography (OCTA)が開発された。この機器を用いることにより、従来のフルオレセイン蛍光眼底造影検査では評価することができなかった、網膜の血管構造を解明できる。その特徴は網膜表層の血管網と深層の血管網とにそれぞれわけた画像が得られる。さらにこの血管の画像はフルオレセイン蛍光眼底造影検査の画像よりも鮮明である。我々は、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)のOCTA所見について検討している。 対象はBRVOを有する患者20名、20眼を対象とした(平均年齢64.2±7.3歳)。BRVOは発症より6ヶ月以上経過したもので、網膜血管アーケード内に出血を起こしていたものを対象とした。OCTAは黄斑部を中心とする3×3mmを撮影し、同部位の表層網膜毛細血管網と深層網膜血管網の血管走行を観察し、閉塞部位側と非閉塞部位側で血管の走行を比較した。 その結果、BRVOの20眼中20眼で閉塞部位の表層網膜毛細血管網の血管密度が減少していたが、著明な血管の拡張および蛇行が認められた。また、全例に深層網膜血管網でも同様に血管密度の現象、血管の拡張蛇行が認められた。20眼中12眼で閉塞静脈は深層網膜血管網撮影レベルでも観察された。 OCTAを用いてBRVOの毛細血管異常の評価が可能であった。BRVOの閉塞部位では表層および深層の網膜毛細血管網の血管が拡張、蛇行している事が明らかとなった。さらに閉塞血管は水平方向のみならず垂直方向にも蛇行していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の結果を2015年の日本眼科学会で報告した。 現在この結果に関する英文論文を執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ当初の症例数が足りなく、今後もnを増やして検討を重ねる必要がある。
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Causes of Carryover |
BRVO発症の全身因子である高血圧・高脂血症の影響を調べるため、高脂血症および高血圧モデルのネコの網膜動静脈交叉部のシェアストレスが健常眼と比較し、低下しているか検討する実験がまだ行っておらず、ネコの購入や薬品の購入が前年度は少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高脂血症および高血圧モデルのネコの網膜動静脈交叉部のシェアストレスが健常眼と比較するためにネコの購入をお行う。 また、網膜循環を改善させる薬剤(スタチン、フェノフィブラート、赤ワイン含有プリフェノールのひとつであるレスベラトロール)をネコに投与するために薬品の購入などに充てる。
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