2015 Fiscal Year Research-status Report
シェアストレスからみた網膜静脈分枝閉塞症の病態と治療
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26861429
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
十川 健司 旭川医科大学, 医学部, その他 (50466489)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 網膜静脈分枝閉塞症 / OCT / 眼循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血管内皮細胞に作用するシェアストレス(ずり応力)に着目して、これまでにない新しい側面から網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)の病態を解明する。本研究では、現在我々のグループが開発中であるドップラー光干渉断層計(OCT)を用いて世界で初めてBRVOにおけるシェアストレスを測定し、BRVOの病態を解明することを目的とし、さらに、in vitroのシェアストレス実験装置を用いて、有効な治療法の開発を目指す目的で行われている。まずは、臨床実験として、スペクトラルドメインOCTを用いてBRVO患者の眼を撮影した。スペクトラクドメインOCTは網膜血管を詳細に観察することが可能である。BRVO患者の閉塞部位の静脈を水平断で撮影し、これを閉塞部位と対側の動静脈交叉部の血管像と比較し、血管の蛇行の程度を評価した。さらに、我々は最近開発したドップラーOCT血流計を用いて同部位の網膜循環動態を測定し、血管の蛇行の程度とシェアストレスの関係を解明した。動物実験として、ネコに全身麻酔をかけ、ドップラーOCT血流計を用いて網膜循環動態を評価する予定であった。そのためにはまず、網膜動静脈交叉部の網膜動静脈の循環動態を測定し、次に、上耳側の網膜静脈をアルゴンレーザー(240-280mw, 0.3sec)を用いて照射し、BRVOモデルのネコを作成しなければならない。その後に閉塞部位の前後の静脈の網膜循環動態を測定し、これらの循環動態の比較することにより、BRVOの血栓形成に関わる交叉部でのシェアストレスを評価する予定であった。しかし、BRVO様の眼底病変を作ることは可能でも、実際の臨床で見られる様なBRVO眼をつくるのに現在苦慮している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究の進捗状況は概ね順調であり、データも取れいている。しかしながら動物実験として、ネコに全身麻酔をかけ、ドップラーOCT血流計を用いて網膜循環動態を評価する予定であった。そのためにはまず、網膜動静脈交叉部の網膜動静脈の循環動態を測定し、次に、上耳側の網膜静脈をアルゴンレーザー(240-280mw, 0.3sec)を用いて照射し、BRVOモデルのネコを作成しなければならない。その後に閉塞部位の前後の静脈の網膜循環動態を測定し、これらの循環動態の比較することにより、BRVOの血栓形成に関わる交叉部でのシェアストレスを評価する予定であった。しかし、BRVO様の眼底病変を作ることは可能でも、実際の臨床で見られる様なBRVO眼をつくるのに現在苦慮している。
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Strategy for Future Research Activity |
BRVOモデルのネコ眼を作るために、網膜静脈を閉塞させなければいけない。現在行っているレザーによる方法では閉塞が不十分である。そのため、今後は網膜静脈を直接結紮する、あるいは、ネコ眼の手術により機械的に網膜静脈を閉塞させてBRVO眼をつくる必要がある。
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Causes of Carryover |
現在まだ未完成のネコBRVO眼を作成するための薬剤、またネコに全身麻酔をかけるさいの薬剤が必要である。その薬剤費が必要である。 また、現在のBRVO眼でのOCTを用いた眼循環動態の評価の成果を2016年度の臨床眼科学会で発表予定である。またさらにこの内容の論文執筆をする予定である。そのための経費が必要である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ネコのBRVO眼を作成させるための薬剤、および手術道具、また、全身麻酔をかける際の薬剤。研究成果発表のための旅費また研究成果の英語論文の校正料および掲載料として使用予定。
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