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2014 Fiscal Year Research-status Report

神経ー血管連関応答下における網膜血流と神経活動の相互調節作用の解明

Research Project

Project/Area Number 26861430
Research InstitutionAsahikawa Medical College

Principal Investigator

宋 勇錫  旭川医科大学, 大学病院, その他 (00726341)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords網膜神経血管連関 / 網膜血流自己調節 / フリッカー光刺激 / 一酸化窒素 / 神経型一酸化窒素合成酵素
Outline of Annual Research Achievements

目的:網膜血流には脳血流と同様に、環境に応じた血流自己調節機構が存在しており、網膜血流自己調節機構の破綻が糖尿病網膜症に代表される網膜疾患の病態形成に関与していることが知られている。しかし網膜血流自己調節機構の詳細な機序は明らかになっていない。本研究では神経血管連関という概念に注目しその解明を行った。神経血管連関とは脳血流研究において提唱された概念で、神経と血管が相互に作用することにより局所脳血流が調節されるとされている。近年網膜でもその存在が示唆されているが詳細な機序については明らかになっていない。そこで本研究では網膜における神経血管連関の存在とその機序についてネコin vivo網膜血流実験系を用いて解析した。
方法:まずフリッカー光刺激前のネコ網膜血流(Basal RBF)を測定し、その後光の点滅刺激であるフリッカー光刺激を3分間行い網膜光刺激後の網膜血流をBasal RBFと比較した。網膜血流はレーザードップラー眼底血流計(LDV100, Canon)で測定した。更に、フリッカー光刺激後の血流変化には網膜神経の興奮が関与していることが示唆されており、網膜神経由来の血管拡張物質である一酸化窒素(NO)のフリッカー光刺激後血流変化反応への寄与について検討するため、神経型NO合成酵素(nNOS)阻害薬(L-NPA)の硝子体内投与後にフリッカー光刺激後の網膜血流を測定し、PBS投与群と比較した。
結果:フリッカー光刺激後に網膜血流はBasal RBFに比較して約60%増加することが明らかとなり、この増加反応はnNOS阻害薬であるL-NPA投与群では20%に抑制された(IOVS2015 in press)。
結論:フリッカー光刺激によりネコ網膜血流が増加し、この反応は神経型一酸化窒素合成酵素阻害薬で一部抑制された。以上より、網膜光刺激による網膜血流増加反応には網膜神経細胞由来の血管拡張物質である一酸化窒素が関与していると示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

予定していた基礎研究(ネコin vivo網膜血流実験系)の目標は概ね達成された。しかし臨床研究として予定していた健常者での同実験はいまだ実験途中であり、学会・論文発表するには至っていないため。

Strategy for Future Research Activity

基礎研究ではネコin vivo網膜血流実験系を用いて、網膜における神経血管連関の存在を証明した。更に、その機構には神経由来と考えられる一酸化窒素の関与があることを明らかにしたが、神経由来一酸化窒素だけでは網膜神経血管連関のメカニズムを全て説明するには至らなかった。そこで神経血管連関のメカニズムについて、本研究で明らかとなった神経由来一酸化窒素の関与の他に、網膜グリア細胞の関与が我々の予備実験において示唆された。次年度では網膜神経血管連関における網膜グリア細胞の役割について検討を進める。具体的には網膜グリア細胞の働きを抑えるとされるgliotoxinのL-aminoadipic acidを硝子体投与し、フリッカー光刺激後の網膜血流を測定し、control群との比較を行う。また、今回達成できなかった、臨床研究である「健常者におけるフリッカー刺激後の網膜血流量変化の測定」を進めていく。

Causes of Carryover

臨床研究における健常者への謝金総額が予想を下回り、更に使用する実験動物(ネコ)を大量購入することにより予定よりも安く計上できたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

臨床研究を更に進めるための謝金として、更に次年度には本年以上に実験動物を必要とするためその購入費が予想を上回ると予想される。それらの費用に計上する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] The Role of Glial Cells in the Regulation of Retinal Microcirculation in Response to Modulations in Systemic Oxygen Tension2015

    • Author(s)
      Young-Seok Song, Taiji Nagaoka, Takafumi Yoshioka, Tomofumi Tani, Seigo Nakabayashi, Akitoshi Yoshida
    • Organizer
      The Association for Research in Vision and Ophthalmology
    • Place of Presentation
      Colorado Convention Center (Colorado, USA)
    • Year and Date
      2015-05-02 – 2015-05-07
  • [Presentation] 網膜グリア細胞は酸素分圧変動時の網膜血流自己調節に寄与する2015

    • Author(s)
      宋勇錫、長岡泰司、善岡尊文、谷智文、中林征吾、吉田晃敏
    • Organizer
      日本眼科学会
    • Place of Presentation
      ロイトン札幌(北海道札幌市)
    • Year and Date
      2015-04-18 – 2015-04-21

URL: 

Published: 2016-06-01  

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