2014 Fiscal Year Research-status Report
網膜スライスパッチクランプ法によるChR発現神経節細胞の機能解析
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26861432
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
村山 奈美枝 岩手大学, 工学部, 研究員 (60597516)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 眼生理 / パッチクランプ |
Outline of Annual Research Achievements |
光感受性チャネルロドプシンは、近年、新たな視覚再建ツールとして研究されてきている。しかし、オリジナルのチャネルロドプシンでは、培養細胞レベルでの検討は増えてきたが、神経伝達機構に関する研究は少ない。 従来、網膜神経伝達機構の解析には正常な網膜が用いられてきたが、正常な網膜では光刺激によって同時に多くの神経細胞が刺激され、その反応は複雑なものとなり、個々の細胞の反応を調べることは容易ではなかった。本研究は視細胞が変性したラットの網膜を用いてスライスパッチクランプの手法を用い、網膜の個々の細胞の反応を見ることを目的としている。 平成26年度は、遺伝盲ラットへ投与する変異型アデノ随伴ウイルス(AAV-)を作製した。遺伝子発現に2か月を要するため、投与2か月後にラットから網膜標本を取り出し、確認を行った。 次に、スライスパッチクランプシステム実験系の確立を行った。本実験で用いる細胞直視下で行う可視化法では薄いスライス標本を用いるため、よりよいスライド標本の作製が重要になってくる。このため、スライス標本の作製においての様々な条件の検討を行い標本作製のプロトコルを決定した。また、正常なラットの網膜を用いてスライス標本の作成とパッチクランプ技術の習得、記録を行った。 今年度は、遺伝盲ラットの網膜へチャネルロドプシン2遺伝子を導入し、予定通りターゲットの細胞を変えながら神経節細胞での光応答の比較を継続して行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アデノ随伴ウイルスの作製、スライスパッチクランプシステム実験系の確立とおおむね予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
On双局細胞のみにチャネルロドプシンを導入し発現させ、神経節細胞での応答を調べる実験を継続し、解析するのに十分なデータを集める。 次にターゲットを神経節細胞付近に移す。 神経節細胞にチャネルロドプシンを導入し、発現させる。投与2か月後に網膜を取り出し、神経節細胞体のみに光を当てたとき、軸索のみに光を当てた場合での応答の違いをみる。
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Causes of Carryover |
おおむね予定通りに進んでいるが、次年度の予算が入ってから購入したい物品があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アデノ随伴ウイルスの作成、遺伝盲ラット飼育、パッチクランプの消耗品に使用する。
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