2015 Fiscal Year Annual Research Report
AM-RAMP2系の脈絡膜新生血管における病態生理学的機序の解明
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26861442
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
家里 康弘 信州大学, 医学部, 助教(特定雇用) (00708357)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | adrenomedullin / 脈絡膜新生血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザー誘導脈絡膜新生血管モデルにおいてアドレノメデュリン(AM)ノックアウトマウスとRAMP2ノックアウトマウスは同様の表現型を示し、AM-RAMP2は脈絡膜新生血管の形成において同様の機序であることが確認された。血管透過性に対するAM-RAMP2系の作用としてAMノックアウトマウスにおいて野生型マウスと比較して血管透過性の亢進を認め、一方でAMの持続的に投与を行うことにより血管外漏出が減少し、血管透過性の低下を認めた。これはin vitroによる網膜血管内皮細胞を用いた血管透過性アッセイによっても確認された。このことはAM-RAMP2系の亢進・刺激によって炎症的機序に伴う血管透過性の亢進を抑制し、血管外漏出による浮腫を抑制することが出来ることを示している。またVEGF過剰発現のKimbaマウスによる更なる血管透過性亢進に対するAM-RAMP2系の作用を調べた追加の検討においても、AMの投与によって血管外漏出の低下を認めた。これは炎症的機序だけではなくVEGFによる血管透過性の亢進に対しても、AMの血管透過性を減弱する作用があることを示唆している。眼科領域において視力低下を来す主たる原因として黄斑浮腫・網膜浮腫があり、VEGF阻害薬による治療が現在広く行われているが、VEGF阻害薬の耐性や炎症的機序による浮腫に対して、本研究の成果はAM-RAMP2系の新たな治療標的としての可能性を示唆するものである。
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