2015 Fiscal Year Research-status Report
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26861450
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
濱崎 一郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (50600532)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 外眼筋固有知覚 / 眼球運動 / 斜視手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
外眼筋の固有感覚の測定システムの開発を行った。軽量(36g)の眼鏡フレーム型の装置JINSMEME(JINS)を用いることにより、内蔵されている6軸加速度センサーでリアルタイムに頭位の測定、また、眼電位の変化により視線方向の測定ができる。これを用いて完全暗室下での頭位もしくは視線方向を測定することが可能となる。つまり視覚情報がない固有感覚のみの知覚情報での視線方向・頭位の調査が行える。iOS搭載デバイスiPad(Apple)を用い、Xcodeプログラミングで作成された測定専用アプリによってリアルタイム頭位を数値化し記録できるシステムを開発した。次年度は暗室安静時での正常者の頭位、斜視患者(術前・術後)の頭位を数値化し、固有知覚の関連性について検討する予定である。 固有感覚の眼位に与える影響は長期間かかるといわれている。また、筋移動術(後転術)のみよりも、固有知覚受容器を含む筋腱の切除術(短縮術)を行った方が、術後の変動が大きいことから、固有感覚の関与を示唆する。引き続き調査を進める予定である。 外眼筋の固有感覚の別の調査として、後ろ向き研究で間欠性外斜視の手術で前後転術を行った場合、術後眼位の過矯正が大きいほどその後長期に経過観察すると眼位の変動(戻り)が大きくなることが分かった。固有知覚の関連性について調査を進める予定である。この新知見については第119回日本眼科学会総会にて報告した。また、この新知見については英論文として投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外眼筋の固有感覚の測定システムの開発は、主要部の器材JINSMEME(JINS)が発売となり、急ピッチで測定アプリの開発を行い、実際に被験者で測定可能となるまでに進んだ。被験者のデータは、まだ少ないがすでに測定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度に外眼筋の固有感覚の測定システムの開発がほぼ完成した。ただし視線方向の変化のみの測定ができるが、視線方向の測定については、測定精度の検討が必要であると考えている。2016年度には上記に関するデータを可能な限り収集し、その結果について学会等で発表する予定にしている。
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Causes of Carryover |
昨年度の研究の主要機材の販売が遅れたため測定装置の開発が進まず、研究が遅延したことにより、牽連する学会発表や論文報告ができなかったため、学会出張費が残存した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度からは測定装置が完成したことでデータ収集可能となった。急ピッチでデータ収集を行い、積極的に国内学会を中心に発表等を行う予定である。
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Remarks |
研究内容 ― 斜視・弱視に関する研究 に倫理規定に基づいて説明した研究内容の詳細についての記載あり
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Research Products
(4 results)