2014 Fiscal Year Research-status Report
斜視患者における3D映像を用いた立体感覚の定量的解析
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26861451
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
宮田 学 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00548505)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 両眼視 / 立体視 / 3D |
Outline of Annual Research Achievements |
健常被検者を対象として、試験的に両眼の水平性視差により誘発される立体感覚を定量した。 方法としては、3D対応のシースルー型モバイルビューアー(Moveria, Epson)を使用して、検者が±1、±0.5、±0.25、0°の両眼視差を有する視標をランダムで提示した。交差性の視差(右目の視標は左側に、左目の視標は右側に見える)を与えると、手前に飛び出して見え、反対に同側性の視差を与えると奥へひっこんで見える。同側性視差をあまり大きくすると、複視が生じてしまう。予備実験で同側性視差1°までであれば容易に両眼視が可能であり、複視が生じないことを確認できたので、上限を1°とした。被検者が実際に存在する視標に、誘発されて立体的に見えているバーチャルのイメージを重ね合わせて表現し、検者が実際の視標で立体感覚がどの程度あるのかを測定した。以前の3Dテレビを用いた方法では、手前側しか評価できなかったため、交差性視差に対する立体感覚しか評価できなかった。しかし、この方法を用いることで、同側性視差に対する立体感覚を評価することが可能となった。 結果としては、ほぼ理論値通りの立体感覚の大きさを知覚していることが分かった。しかし、0.25°の小さな視差に対しては、理論値よりやや大きい傾向にあることが示唆された。0.5°以上の粗い視差にはM細胞系が、それより小さな視差にはP細胞系が関与していると考えられており、今回の結果から、これらの両眼視細胞の機能の違いが影響した可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異動に伴う研究機関の変更で、研究体制の確立に時間を要するため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は斜視患者を対象として、立体感覚を定量していく方針である。斜視患者では2Dにおいて「さしこし現象」が存在することが確認されている。3Dにおいてもそのような現象が生じていないかを確認し、斜視患者の視空間覚を推定していく。
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Causes of Carryover |
研究の進行にやや遅れが生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新しい研究機関へ異動となり、研究体制を整える。 次年度使用額はH27年度交付額とあわせて解析ソフト・パソコンの購入等に使用する。
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Research Products
(2 results)