2014 Fiscal Year Research-status Report
被曝放射線量の血管径への影響と緑内障、加齢黄斑変性症との関係
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26861452
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹中 丈二 広島大学, 大学病院, 助教 (70526194)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 被曝線量 / 加齢黄斑変性症 / 網膜血管径 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜血管径の変化と緑内障、加齢黄斑変性発症の関係、被曝放射線量の血管径への影響を明らかにすることが目的である。正常眼圧緑内障の視神経障害機序として眼部の循環障害が注目されている。加齢黄斑変性症も黄斑部の虚血が原因と考えられている。放射線被曝で網膜動脈硬化が促進されて網膜脈絡膜循環障害を起こす事、正常眼圧緑内障が被曝線量に応じて増加することが報告された。低線量の放射線被曝が循環障害を来たし、正常眼圧緑内障や加齢黄斑変性症の頻度を増加させる可能性がある。われわれは広島、長崎コホート調査で得られた眼底写真を元に、国際的に標準化された方法(Parr-Hubbard法および Knudtson修正法)を用いて網膜血管径と細動脈硬化指数を求める。大動脈硬化指標を別途求めてこれらの指標と被曝線量、緑内障発症の関係を病型ごとに統計学的に検討する。またThe Wisconsin Age-related Maculopathy Grading Systemを用いて加齢黄斑変性症を診断する。これは眼底写真のをセクターに分けて、各セクターにおける色素上皮の変化、出血、色素沈着、ドルーゼンの有無から加齢黄斑変性の程度を分類するというものである。 現在眼底写真から解析をすすめており加齢黄斑変性と被曝線量には関連がなさそうであることがわかった。また緑内障については正常眼圧緑内障は被曝線量が増えると増える傾向にあるが、眼圧の高い緑内障は逆に減る傾向があることがわかった。緑内障については論文を作成済みであり加齢黄斑変性については作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広島、長崎コホート調査で得られた眼底写真を元に、網膜血管径と細動脈硬化指数を求めた。大動脈硬化指標を別途求めてこれらの指標と被曝線量、緑内障発症の関係を病型ごとに統計学的に検討した。 The Wisconsin Age-related Maculopathy Grading Systemを用いて加齢黄斑変性症を診断し網膜血管径、被曝線量と加齢黄斑変性の発症について調査、検討を行い、被曝線量と加齢黄斑変性は関連が無いことが分かった。現在はそれについて論文を作成中であり研究は予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
解析を行い加齢黄斑変性と被曝線量には関連がないことがわかった。またこれまで世界的には喫煙が加齢黄斑変性の原因とされてきたが、今回の結果では喫煙と加齢黄斑変性は関係が無いことがわかった。日本人では喫煙が危険因子にならない可能性があり、これらを今後まとめて学会発表や、論文を作成していく方針である。
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Causes of Carryover |
旅費がかからなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外の学会発表や論文作成の諸費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)