2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26861463
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
永田 健児 京都府立医科大学, 医学()研究科研究員, 助教 (00457988)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サルコイドーシス / ぶどう膜炎 / Propionibacterium acnes |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)Propionibacterium acnes (P. acnes)が眼サルコイドーシスに関与するかどうか検討するため、網膜生検を実施しP. acnesに特異的なPAB抗体による免疫組織化学での検討を行った。このうちサルコイドーシスの症例は82%の症例において網膜内にPAB陽性の円形体を認めた。一方コントロール群では1例も検出さず、P. acnesの眼サルコイドーシスへの関与を強く示唆する結果が得られた。その詳細な検討を行うと、検出されたPAB陽性の円形体は網膜の肉芽内に主に見られ、それらは小さなものと、大型のものに大別され、大型のものはHamazaki-Wesenberg小体と考えられた。 これまでにTh-1サイトカインが硝子体内で増加していることを報告してきたが、網膜内にみられた肉芽はマクロファージとCD4陽性Tリンパ球で主に構成されており、そういったサイトカインの産生元と考えられた。また肉芽は網膜内層に主に認められ、血管周囲に目立つことから、眼サルコイドーシスの病態としてP. acnesが網膜血管を介して血行性に網膜に到達し、マクロファージやCD4陽性細胞による肉芽形成されることが示唆された。 (2)網膜生検に関しては全例で合併症なく施行され、術前と比較して術後には有意な視力改善を認め、硝子体手術も治療として有効であると考えられた。 (3)その硝子体手術の有効性や黄斑浮腫に関与する因子を検討するため、手術時と3か月時点の硝子体液を採取し、硝子体中のサイトカインを測定して比較した。その結果、術前と比較して術後3か月時点においIL-1ra、IL-4、IL-6、IL-9、IL-12、IFN-γ、 IP-10、PDGF-bb、RANTES、TNF-αが有意に低下していたことを報告した。
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Research Products
(4 results)