2015 Fiscal Year Research-status Report
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26861470
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
馬詰 和比古 東京医科大学, 医学部, 講師 (80532209)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 眼内増殖疾患 / ミューラー細胞 / ダサチニブ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでにin vivoとin vitroにおける増殖硝子体網膜症(PVR)モデルを用いて、ダサチニブによる増殖性変化の抑制効果について報告してきた(Umazume K, et al. IOVS 2013 54, 1150-9)。ダサチニブは広汎にチロシンキナーゼを阻害し、主にBCR-ABLを標的とするが、FAK(focal adhesion kinase)も阻害することが知られている。今回、培養豚ミューラー細胞を用いた実験的PVRモデルで、FAKを特異的に阻害することによる増殖膜への影響を研究目的とした。 具体的にはFAK阻害薬であるPF573228(選択的FAK阻害薬)とPF431396(pyk2/FAK阻害薬)を使用して、豚コラーゲンⅠを用いた増殖膜収縮解析によるコラーゲンゲルの収縮率を比較検討した。また、筋線維芽細胞のマーカーである平滑筋アクチンをファロイジン染色することで増殖膜のアクチンストレスファイバーを可視化して比較検討した。 結果はPF431396使用群と比較してPF573228使用群では増殖膜の収縮が有意に抑制されていた。PF573228使用群ではアクチン-ファロイジン染色は減弱しており、細胞内のアクチンストレスファイバーの形成が抑制されていた。PF573228をDay0とDay2に投与した群で増殖膜収縮を比較すると、Day0群では有意に収縮が抑制されていた。 つまり、FAKは主に増殖膜形成の初期に作用し、収縮に関与することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの実験に時間を要し、in vivoの実験までに至らなかったが、PVRモデルにミュラー細胞を用いてDasatinibの作用機序の一端を解明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度で遂行できなかったin vivo モデルでのミュラー細胞を用いた実験を行う予定である。また、ダサチニブの臨床での適切な使用時期を図りたいと考えている。
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Causes of Carryover |
一部注文した抗体が届いていないためと投稿中の論文があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文校正代として使用予定。
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