2014 Fiscal Year Research-status Report
免疫制御性遺伝子導入樹状細胞によるPU.1を介したEAONの抑制メカニズム解析
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26861471
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
松田 隆作 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (10449209)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | pu.1 / EAU / EAE / 視神経炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的: PU.1分子は免疫機構の発達や骨髄単球系細胞(樹状細胞やマクロファージ)の分化に重要な血球特異的な転写因子として知られる。今回我々はマウス実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(EAU)の発症機構を解明する一環として、網膜におけるPU.1の発現について解析した。 方法:C57BL6マウスをhIRBP1-20ペプチド含有CFAで免疫した群(EAU群)と、CFAのみによる免疫群、非免疫群の3群に分けて臨床経過を観察、その後、眼球を摘出し、網膜内のPU.1、CD11c、F4/80のtotal mRNAをReal-time PCRで定量の上、3群間で比較した。さらに免疫後21日目の網膜伸展標本を作成し、抗CD11c抗体、抗F4/80抗体、抗PU.1抗体を用いた免疫染色の後、共焦点顕微鏡による観察を行った。 結果:EAU群の眼炎症所見は免疫後21日目に極期に至り、PU.1、CD11c、F4/80のmRNAは免疫後21および28日目で他の2群よりも有意に増加し、EAUの重症度とも比例していた。また、EAUマウスの網膜ではPU.1とCD11c、およびF4/80が共発現していた。 結論:EAUでは網膜に浸潤した樹状細胞やマクロファージにPU.1が発現し、その病態形成に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EAUにおいてのPU.1の解析は明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、In vivoにおいて、尾静脈から投与したIL-10遺伝子導入樹状細胞やCGRP遺伝子導入樹状細胞が各臓器内でどのような細胞と反応しているかは解析されていない。それゆえ、申請者の遺伝子治療によるEAE-EAONの抑制は、細胞性免疫の抑制が関わっているのではないかと考えられる。そのためには、In vitroにおいてIL-10遺伝子導入樹状細胞またはCGRP遺伝子導入樹状細胞とT細胞を反応させ、RPMI1640で培養する。培養液を遠心し、上清および沈殿した細胞を採取する。培養上清を用い、ELISA法で各サイトカインを確認し、培養した細胞を用い、FACSで制御性T細胞(CD4CD25foxp3)、CD80/86、MHC class ⅡおよびCD4/CD8を確認する。さらに、細胞内のPU.1の発現をreal time PCRで確認する。 また、IL-10遺伝子導入細胞またはCGRP遺伝子導入樹状細胞と各臓器に局在する樹状細胞との反応を確認するためには、両者は同様の細胞のため、共培養をしてもフローサイトメトリーの吸高度および偏光度が同様のため区別できない。そのため、IL-10プラスミドおよびCGRPプラスミドの遺伝子を組み替える必要がある。つまり、プラスミドのpCR3.1に樹状細胞とは別の吸高度である遺伝子(蛍光タンパク)を挿入し蛍光標識プラスミドを作製する。これらを樹状細胞と共培養することにより、FACSにおいてでも両者の区別が可能となる。FACSでは、樹状細胞上にあるCD11b、CD11c、CD80/86およびMHC class Ⅱを確認する。
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Causes of Carryover |
少額の端数分えお繰り越したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度分と合算して使用
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