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2014 Fiscal Year Research-status Report

細胞機能解析によるヒトiPS細胞由来視細胞の移植適期同定

Research Project

Project/Area Number 26861473
Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

本間 耕平  日本医科大学, 医学部, 助教 (80462729)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords網膜移植 / iPS細胞 / 電気生理
Outline of Annual Research Achievements

網膜視細胞が細胞死を引き起こす網膜色素変性や加齢黄斑変性症などの疾患において,視細胞移植の可能性が注目されている.近年のiPS細胞テクノロジーによって,ヒトiPS細胞から網膜視細胞が分化することができるようになってきている.しかし,ヒトiPS 細胞から網膜細胞に分化させたときに,どの発生段階の視細胞が移植に適しているのかは明らかではない.本研究では,ヒトiPS 細胞ノックインラインを作製し,蛍光タンパク質で標識したヒト網膜視細胞を継時的に調べ,視細胞移植のために最適な発生段階を同定することを目的とした.
<平成26年度:ヒトiPS 細胞培養系及び網膜細胞分化培養系の立ち上げ>
ヒトiPS 細胞を用いてフィーダーフリー維持培養系を立ち上げ,正常ヒトiPS 細胞分化培養を開始した.ヒト視細胞の分化には長期間(120日)の培養が必要なので,申請者が過去に実施した培養条件を基に,正常ヒトiPS 細胞分化培養が安定的に行える条件を決定した.その後,各種ヒト視細胞関連遺伝子プロモーター蛍光タンパク質のノックインiPS 細胞を作製した.ノックインベクターには各種抗生物質耐性遺伝子が組み込まれており,これらをもちいて薬剤耐性のあるコロニーをピックアップすることができた.また,ピックアップしたコロニーのゲノムを抽出し,ジェノタイピング,サザンブロッティングにより遺伝子挿入を確認し,現在,これらのコロニーの網膜への分化培養を開始しているところである.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

日本医科大学システム生理学において,無事にヒトiPS細胞フィーダーフリー培養系を確立することができた.ヒトiPS細胞から網膜への分化方法について,酸素コントロールなどの改善点はあるものの,問題なく行う体制ができている.ヒトiPS細胞のノックインライン作製においては,TALENと同様に,CRISPR/Cas9システムを用いた.CRISPR/Cas9システムではターゲットを決めるのがガイドRNA(gRNA)なので,発現ベクターを改変することが容易であるという利点がある.本研究では,ヒト遺伝子のSafe harborでる第19遺伝子にあるAAVS1サイトをターゲットして,網膜桿体視細胞の転写因子であるNrlのプロモーター下にRFP(赤色蛍光タンパク質)を繋げた遺伝子のノックインと,網膜視細胞に特異的な転写因子であるCRX遺伝子のC末端をターゲットしてRFP遺伝子をノックインしたものの二種類のラインを作製した.

Strategy for Future Research Activity

<平成27年度:ヒトiPS 細胞分化培養細胞の生理学的機能解析>
分化誘導したヒトiPS 細胞にパッチクランプ法,カルシウムイメージング法を適用し,細胞の機能的な分化程度を調べる.得られたヒトのデータとマウスのデータを比較検討し,マウスでみられる機能分化の進行程度を指標として,ヒトiPS 細胞における機能分化の程度を評価できる細胞生理学的な指標を決定する.また,これらによって得られたデータと,現在NEI で得られている次世代シークエンスによる網羅的mRNA 発現解析によるデータとを比較することができる.
<平成27年度:マウス網膜下移植システムの立ち上げと評価>
網膜色素変性モデルマウス実験系において,ヒトiPS 細胞由来の網膜視細胞を網膜下に移植する.このとき,生理実験の結果をもとに,いくつかの分化時期における視細胞を移植したときのドナー細胞の定着様式について調べる.形態的な評価は,視細胞の網膜内への移動,シナプス結合などを指標として組織化学的手法を用いて検討する,網膜組織の光応答などの機能的な検討に必要な,パッチクランプ膜電流計測,マルチ電極システム,マウス用ERG システムは,所属研究室で稼働しているシステムを使用して実施する.計測がうまく行かないときなどは,教室員と綿密にディスカッションすることができる.

Causes of Carryover

昨年度は,遺伝子導入のための機械,消耗品に使用した.

Expenditure Plan for Carryover Budget

今後,さらに他の種類のノックインラインを作製していくために,遺伝子導入,培養のための消耗品を購入する.また,網膜の分化を確かめるために,マーカーに対する抗体を購入予定である.これらによって得られた成果について,国内学会,国際学会で積極的に発信していくため旅費に充当する.また,論文を執筆するために,英文校正,投稿費などの費用に充てる.

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Generation of human iPSC photoreceptor-gene reporter lines by using CRISPR/Cas9 system2015

    • Author(s)
      Kohei Homma, Makoto Kaneda
    • Organizer
      日本神経科学学会
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      2015-07-28 – 2015-07-31

URL: 

Published: 2016-06-01  

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