2014 Fiscal Year Research-status Report
炎症性miRNAの時空間的機能解析に資するバイオイメージング技術の開発及び応用
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26861503
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 克弥 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (70722750)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | miRNA / 炎症 / イメージング / 皮膚創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、下記の成果を得た。(1)lys-EgFP マウス(好中球及びマクロファージに EGFP が選択的に発現しているマウス)を導入した。現在、miRNA 遺伝子欠損(KO)マウスと交配を行い、miR KO/lys-EGFP マウスを作製中である。(2)生体イメージング解析装置(IVIS)による in vivo イメージング用いて、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性を指標とした、皮膚創傷部の炎症様態観察系を確立した。現在、炎症関連 miRNA KO マウスを用いて、生体イメージング解析を行っている。途中経過であるが、miRNA KO マウスは、コントロールマウスに比べて、炎症様態の変化が認められた。さらに in vitro 解析を行い、詳細に解析する予定である。(3)透明化試薬を用いて、皮膚創傷部の透明化及び蛍光免疫染色を試みた。透明化については、問題なく行えた。しかしながら、蛍光免疫染色については、未だ成功していない。その原因として、抗体の組織浸透性、蛍光蛋白質の減弱などが考えられた。今後は、lys-EGFP マウスを用いて技術の改良を行い、安定した解析系確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、イメージング解析のための実験材料の収集および解析系の確立を主な目的としていた。具体的には、(1)lys-EGFP マウスの安定繁殖および遺伝子改変マウスとの交配による新規マウスの作製、(2)in vivo イメージング装置を用いた独自の解析系の構築、(3)病理組織学的な解析系の確立である。実績概要に記したように、多少の改善点を必要としているが、全体的な研究の流れは予定通りに進行している。今後は、通常の皮膚創傷治癒過程だけでなく、感染創や糖尿病における慢性潰瘍への応用を目指す(現在進行中)。以上、これまでの進行状況を考えて、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、作出している種々の遺伝子改変マウス用いて、 in vivo イメージング解析を行う。また、in vitro イメージング解析も行い、生きたままの細胞動態・機能を解析する。そして、皮膚創傷治癒解析に有用なイメージング解析の確立を目指す。そして実際に、遺伝子改変マウスや臨床サンプルを用いた解析・情報発信を行うことにより、研究成果の応用と問題点の克服を目指したい。
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Causes of Carryover |
年度末に業者への受託解析を予定し、経費を計算していたが、予定していた会社での解析がうまくいかず、他社へ依頼変更したためその差額分が残金として残った。決定したのが年度末ぎりぎりであったため、残金は繰り越しすることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後予定しているマウスの購入や物品費、学会発表のための旅費に使用したいと考えている。
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Research Products
(4 results)