2015 Fiscal Year Research-status Report
プロテオーム解析によるENaCが関わる創傷治癒因子の同定
Project/Area Number |
26861505
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
青葉 香代 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90468380)
|
Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 創傷治癒 / 両生類 |
Outline of Annual Research Achievements |
ENaC(上皮型ナトリウムチャネル)はNa輸送に関わるイオンチャネルである。両生類から哺乳類にいたるまで、成体表皮を横切る電位差(皮膚電位)が発生している。この皮膚電位は表皮の幹細胞である基底細胞が分裂し、分裂娘細胞が有棘細胞、顆粒細胞へと頂側に向かって最終分化していく過程で発生し、創傷治癒におけるcell migrationに関わっていると考えられている。皮膚電位の発生に、ENaCが関わっている。本研究はプロテオーム解析によりENaCが関わる損傷治癒促進因子を同定し、その機能評価を行うことで、創傷治癒メカニズムの解明を目指す基礎研究である。 両生類成体皮膚にはNa輸送機能の活性が見られるが、両生類幼生皮膚にENaCのmRNAおよびENaCタンパク質の発現があるにもかかわらずNa輸送機能の活性が見られない。機能発現の有無でのENaCタンパク質の比較を行う。H27年度中にαENaCに対する抗体特異的な両生類幼生皮膚タンパク質のプロテオーム解析と幼生両生類皮膚の器官培養の確立を予定していた。抗体特異的な両生類幼生皮膚タンパク質の2次元電気泳動による分離は完了し、現在質量分析中である。両生類幼生皮膚をEDTA処理することで,表皮幹細胞である基底細胞のみからなる皮膚を作成でき,この試料をaldosterone存在下で培養すると形態的にも機能的にも成体皮膚を分化誘導できる。この培養系について、基礎検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H27年度に研究補助者の雇用を計画していたが、学内規則の制約によって雇用できず、やや研究計画に遅れが生じ、計画を修正した。H27年度中に抗体特異的な両生類幼生皮膚タンパク質のプロテオーム解析と幼生両生類皮膚の器官培養の確立を予定していた。現在、抗体特異的な抗体特異的な両生類幼生皮膚タンパク質の分離は完了し、これから質量分析を行う。幼生両生類皮膚を用いた器官培養については基礎検討を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
抗体特異的な両生類幼生皮膚タンパク質の分離は完了したので、これから質量分析を行う。同定が難しい場合は個体数を増やす。aldosterone存在下の培養皮膚のプロテオーム解析を進める。
|
Causes of Carryover |
H27年度に研究補助者の雇用を計画していたが、雇用を学内規則の制約によって雇用できず、謝金について未執行となったため。また、当初購入を予定していた機器について共同利用施設の同機器を使用し、購入を見送ったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
新規の適当な人材が得られるようなら、研究補助者を雇用する。その他大半を消耗品に充てる予定である。
|