2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26861513
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
須田 俊一 順天堂大学, 医学部, 助手 (70645861)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医療 / 脂肪幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまずマウスから脂肪幹細胞を調製する方法の確立を行った。健常マウスの鼠頚部より取り出した脂肪組織よりコラーゲナーゼ処理、遠心分離を行い、間質血管細胞群(SVF; Stromal Vascular Fraction)し、分散・培養を行って脂肪幹細胞(ASC)を採取する方法を確立した。 またストレプトゾトシン(STZ)を投与して糖尿病(DM)を誘導したマウスを1型DMモデルマウスとして、DMマウスよりASCの調製を健常マウスと同様の方法で試み、確立した。 健常およびDMマウスについて脂肪幹細胞調製過程の比較を行ったところ、体重及び回収した脂肪組織の重量に有意な差を認めたが、SVFとして調製された細胞数には有意な差は見られず、ほぼ同数の細胞が得られた。 マウス脂肪幹細胞からの分化誘導について、血管内皮細胞への分化に関して、健常マウスより調製したSVFについて解析を行った。血管内皮前駆細胞(EPC)を分化誘導する方法は、我々の研究室で既に開発している。この方法に基づいてSVFの血管内皮細胞への分化について実験を行った。すなわち、①EPCより血管内皮細胞へ分化させるための方法としてStemspan培地へ5種類のサイトカイン・増殖因子を添加した培養方法、②血管内皮細胞を増殖させるEGM-2培地を用いた培養、③通常のSVFより脂肪幹細胞調製するための培養法(10% FBS添加DMEM)について比較を行った。血管内皮細胞は、FITCラベルisolectin B4及びDil-AcLDLにより染色される細胞として検出を行った。この結果、①の条件では、SVFの細胞接着及び増殖がうまくいかず、少数のスピンドル状の細胞が得られただけであり、今後の実験に十分な細胞数が得られないことが判った。②及び③の条件では、細胞の接着及び増殖が見られたが、②でも③と同様の血管内皮細胞数しか得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来の予定では、本年度は、健常マウスのみ扱う予定であったが、1型糖尿病モデルマウスでは脂肪組織が少なく、このマウスからの脂肪幹細胞の調製が困難である可能性を考慮して前倒しして、糖尿病マウスからの脂肪幹細胞調製法の確立も行った。 その結果として健常及びSTZ誘導糖尿病マウス鼠径部より間質血管細胞群(SVF)を採取し、脂肪幹細胞を獲得する方法を確立することができた。さらに内皮細胞への分化確認のアッセイ法を確立した事により、次年度以降脂肪幹細胞の血管内皮細胞への分化誘導の確認が可能となっており、本研究がおおむね順調に進展していると言えると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、健常および糖尿病マウスからの血管内皮細胞への分化を試みる。その際に間質血管細胞群(SVF)から脂肪幹細胞(ASC)調製の過程が健常および糖尿病マウス由来の細胞で同じで良いか、またASCを調整する際の培養条件についても検討を行う予定である。 また、ASCから血管内皮細胞(EC)あるいは血管内皮前駆前駆細胞(EPC)が得られれば、健常及び糖尿病ASCとそれらから得られたECあるいはEPCを用いて潰瘍又は下肢虚血モデルマウスへの治療の可能性を探る。
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Causes of Carryover |
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
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Research Products
(2 results)