2015 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫・獲得免疫バランスからみた外傷患者における免疫応答制御メカニズムの解明
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26861522
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大須賀 章倫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (60552081)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 外傷 / 免疫 / インフラマソーム / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、重症外傷患者の免疫応答を自然免疫・獲得免疫バランスの観点から解明し、新しい治療戦略の可能性を見出すことである。そのために以下の2点に焦点を絞り、臨床研究を進めた。①重症外傷患者において、自然免疫系の指標としてインフラマソーム活性、獲得免疫系の指標として制御性T細胞(Treg)活性を経日的に評価し、両者のバランスと重症化との関連を明らかにすること。②血中alarmins(HMGB-1, HistoneH3) を経時的に評価し、インフラマソームおよびTregの活性バランスとの関連性を明らかにすること。 現在までに30例の登録があり、重症熱傷を受傷した後にインフラマソーム及びTregの活性が増加することが分かった。alarminとしてはHMGB-1およびHistoneH3が受傷早期に上昇することが示された。またインターロイキン6、インターロイキン10の上昇も認められた。死亡症例が少なく、これらの因子が直接予後に及ぼす因子を解明することは現時点では困難である。しかし多臓器不全への発展とは相関があり、今後の病態解明の糸口になると思われた。現在詳細にデータを検討中であり、今後学会発表および紙上報告していく予定である。
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