2014 Fiscal Year Research-status Report
炎症性刺激における膵B細胞の自食作用の機能形態解析と遺伝子治療
Project/Area Number |
26861530
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Research Institution | Shumei University |
Principal Investigator |
寺前 洋生 秀明大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90599028)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 敗血症 / 膵B細胞 / 自食作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性炎症反応症候群は,外傷,熱傷,急性膵炎,敗血症などの多くの救急関連疾患に合併する徴候である。本研究では,炎症性刺激における膵B細胞の自食作用の機能形態解析と遺伝子治療の可能性について明らかにすることを目的としている。当該年度は学内での研究室・実験室の移設が行われ,実験環境の再セットアップが必要となった。そのため,研究計画では膵B細胞の培養細胞に対する炎症刺激とその機能形態解析としていたが,実験動物(マウス)に盲腸結紮穿孔(CLP)を行い敗血症病態を起こし,膵臓ランゲルハンス島の形態解析を中心に行った。 CLPによる炎症性刺激で膵臓ランゲルハンス島の自食作用は増加することが示され,炎症性刺激で細胞内の恒常性機構に影響を与えていることが分かった。細胞内での恒常性機構の何に影響を与え,どのようなメカニズムが働いているかの評価までは終わっていない。次のステップとして,炎症性シグナル活性の評価ならびに自食作用誘導蛋白のmRNA発現を評価することを考えている。膵臓ランゲルハンス島の評価とともに,培養膵B細胞の評価も行うものとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本計画の実施年度は,生物系ならびに地学系の実験室が新築され,これまでの化学・物理系の実験室から分離し,独立の実験室が完成した。それに伴い,実験室のセットアップを行わなければならない状況であった。年度末には,全ての工事も完了し,実験室が全面的に使用可能となったが,これらの移設等により遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目の研究計画に関しては,遅れが生じている。特に,実験設備の準備等により実施が難しい研究もあった。年度末には,それらのセットアップもすべて完了し,実験・研究が滞りなく行える状況になった。2年目は,1年目の遅れも取り戻せるよう実験計画を練り直し,実施していきたいと考えている。 具体的には,膵B細胞(Min6)の培養を行い,炎症性刺激下での機能形態について解析を行う。特筆すべき点として,これまでは細胞の形態解析に於いて,学外の研究室に設置されている光学顕微鏡を利用するしかなかったが,学内予算により顕微鏡ならびに撮影システムが導入されたことにより,光学顕微鏡による形態解析が可能となった。また,卓上SEMも設置され,電子顕微鏡による解析も学内で行なえる環境が整った。研究環境が申請時よりも各段によくなったことから,1年目の遅れを取戻しつつ2年目の計画も遂行していきたい。
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Causes of Carryover |
計画では,学会参加を2回としていたが,大学の講義等によりスケジュールの調整ができず,日本救急医学会への参加を断念した。また,消耗品の使用を抑えたことも次年度使用額が生じた要因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額分は,主に消耗品費に充当することを計画している。特に,PCR酵素や細胞培養液の購入に用いる。
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