2014 Fiscal Year Research-status Report
薬剤溶出性ステント留置後の内皮機能障害を抽出するためのバイオマーカーの探索
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26861536
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
知花 英俊 久留米大学, 医学部, 助教 (60599819)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | DES / 内皮機能障害 / IL-1β / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は薬剤溶出性ステント (DES)留置後の内皮機能障害を早期診断できるバイオマーカーの探索とDES留置後の内皮機能障害を引き起こすメカニズムの解明である。これらの目的を果たすために以下の研究を行った。 1. DESが留置されている患者に対し、留置後8か月目にアセチルコリンを用いた内皮機能評価を行い、血管の収縮率と血中のIL-1βの相関の有無を検討した。現在、30人の患者を対象に行ったところ、血管収縮率と血中IL-1βの相関を認めてた。 2. DES留置後の内皮機能障害を引き起こすメカニズムを解明するために、血管構成細胞である血管内皮細胞 (HUVEC)、冠動脈平滑筋細胞 (CASMCs)にDESに塗布されているシロリムスを加える培養実験を行った。結果は血管内皮細胞からはIL-1βの産生を検出することは出来なかったが、血管平滑筋からはvehicleと比較し有意に産生が増える事が明らかになった。引き続き血管平滑筋におけるIL-1β産生能亢進のメカニズムを解明するためにリアルタイムPCR法を用いてpro IL-1βのmRNAを測定したところ、シロリムスを加えた方がvehicleと比較しIL-1βのmRNAの発現が多いことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は薬剤溶出性ステント (DES)留置後の内皮機能障害を早期診断できるバイオマーカーの探索とDES留置後の内皮機能障害を引き起こすメカニズムの解明であるが、臨床研究においては、血管収縮反応と血中IL-1βが相関する事が明らかになり、バイオマーカーの候補となる事が示唆された。 また基礎研究において、DES塗布薬剤であるシロリムスにより血管平滑筋からのIL-1β産生の増加が確認され、DES留置部の血管平滑筋からのIL-1β産生が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究においては、症例数を増やす。また、患者背景の検討を行い、IL-1βが高値症例や内皮機能低下症例の特徴を統計学的手法を用いて解析する。
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Causes of Carryover |
当初の計画より登録症例が少なかったため、臨床研究の物品費 (薬剤、ペーシングカテーテル等)が当初の予定より少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
臨床研究の症例数が増える予定であり、物品費として使用する予定である。また、基礎研究でIL-1β産生能のメカニズムを追及するため、培養実験の試薬、器材費に使用する予定である。 旅費 研究の成果を国内外の学会で発表予定であり、諸経費として使用である。 その他、海外雑誌への投稿および別刷料を使用予定である。
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Research Products
(3 results)