2015 Fiscal Year Annual Research Report
心筋虚血再灌流障害のSOCS3欠損によるプレコンディショニングの有効性とその役割
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26861537
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
永田 隆信 久留米大学, 医学部, 助教 (50535078)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心筋プレコンディショニング / SOCS3 / JAK-STAT経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋虚血プレコンディショニング(IPC)におけるJAK-STAT経路とSOCS3の役割を明らかにするために実験を行った。 野生型マウス(WT)のIPC直後、1時間の心筋では、Western blotでp-STAT3の活性が増強し、IPCによるJAK-STAT経路の活性化が見られた。しかし活性は一過性でIPC3時間では活性が抑制された。JAK-STAT経路はSOCS3によって強い抑制を受けるため、IPC3時間におけるSOCS3の発現をreal-time PCRで観察した結果IPC3時間後のSTAT3の活性化が抑制されるタイミングでSOCS3の発現が亢進していた。次に心筋特異的SOCS3欠損マウス(SOCS3-cKO)において同様にIPCを作成したところSOCS3の発現は無く、その結果JAK-STAT経路の活性化がIPC1時間以降も持続していた。このJAK-STAT経路活性化持続の効果を検討するためIPC後にIRIを作成し24時間後にEvans blue, TTC染色で梗塞範囲を評価した。WTはIRIと比較してIPC+IRIで梗塞領域は抑制されており、IPCの有効性を確認した。さらにSOCS3-cKOにおいてはIPCによってWTより梗塞領域がさらに強く抑制されており、IPCの効果はSOCS3を欠損する事でより効果的に働くと考えた。
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