2015 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティックスから探る口唇・口蓋の発生分子機構
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26861545
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川崎 真依子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40584587)
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Project Period (FY) |
2014-02-01 – 2016-03-31
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Keywords | miRNA / 口唇裂 / 口蓋裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、microRNAの口唇口蓋形成における役割を検索した。前年度に作成したDicerの上神経堤由来細胞特異的欠損マウスで、口唇裂、口蓋裂が観察されたことから、今年度は、分子レベルでの解析を行った。 口蓋;口蓋裂の原因が、Shh, Bmp, Fgfシグナルの変化ではないことが示された。BrdUによる細胞増殖、TUNELアッセイによるアポトーシスの活性にも大きな変化は認められなかった。口蓋突起と下顎との癒合部位では、canonical WntシグナルのマーカーであるAxin2の発現が向上することが確認された。このAxin2の過剰発現は、舌下底裂領域でも認められた。口蓋と下顎形成において、canonical WntシグナルがmiRNAにて制御されていることを示している。 口唇;下顎に認められる裂のうち、正中に認められる口唇裂における分子レベルでの検索によると、下顎はE10.5日付近で、近遠心的パターニングの決定が行われていることが示された。さらに、近心の間葉に発現するMsx1と遠心の間葉に限局するBarx1との拮抗関係が、近遠心的パターニングに重要であることが知られていることから、Msx1とBarx1の発現を検索した。その結果、近心に発現しているMsx1の発現がわずかながら減少し、その分、遠心に発現するBarx1の近心への伸展が観察された。さらに、正中に発現する遺伝子のうちAlex4、eHAND、Prx2の発現を検索した所、Alex4およびeHANDの発現が、著しく低下していた。以上より、正中口唇裂は、近心の形成不全により引き起こされる可能性の高いことが示された。一方、側方に認められる口唇裂の形成予定領域に、著しいアポトーシスの活性が認められた。これは、正中に認められる口唇裂と、その側方に形成される口唇裂の発症メカニズムが違うことを示している。 以上の結果から、間葉のmiRNAであるDicerが、口唇口蓋裂形成に必須であることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Excess NF-κB induces ectopic odontogenesis in embryonic incisor epithelium.2015
Author(s)
Blackburn J, Kawasaki K, Porntaveetus T, Kawasaki M, Otsuka-Tanaka Y, Miake Y, Ota MS, Watanabe M, Hishinuma M, Nomoto T, Oommen S, Ghafoor S, Harada F, Nozawa-Inoue K, Maeda T, Peterková R, Lesot H, Inoue J, Akiyama T, Schmidt-Ullrich R, Liu B, Hu Y, Page A, Ramírez Á, Sharpe PT, Ohazama A.
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Journal Title
J Dent Res.
Volume: Jan;94(1)
Pages: 121-128
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Expression of Sox genes in tooth development.2015
Author(s)
Kawasaki K, Kawasaki M, Watanabe M, Idrus E, Nagai T, Oommen S, Maeda T, Hagiwara N, Que J, Sharpe PT, Ohazama A.
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Journal Title
Int J Dev Biol.
Volume: 59(10-12)
Pages: 471-478
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant