2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26861552
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
南部 隆之 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80367903)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔細菌 / 硝酸還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの口腔には,唾液中に含まれる硝酸イオンを還元し,亜硝酸イオンや一酸化窒素を生成する細菌群(硝酸還元菌)が常在している.本研究課題の2年目は,初年度に分離した個々の硝酸還元菌を用いた実験と菌叢解析実験を引き続き進めた. (1)前年度に得た硝酸還元菌の特徴づけと論文発表 前年度に健常者の口腔より分離した硝酸還元菌群(Rothia属)について,硝酸活性比較を行ったところ,株間で優位な差が存在することが明らかとなった.この結果をまとめ,論文として発表した.また,得られた高活性を示す菌株の中に遺伝子改変が可能な株が見つかったため,一分子シークエンサーPacBio RS II(パシフィックバイオサイエンス社)を用いてゲノム解読を行った.完全解読に成功し,アノテーションを行った後,データ公開と論文発表を行った. (2)次世代シークエンスによる硝酸還元菌の変動解析 大阪歯科大学医の倫理委員会の承認のもと,硝酸塩摂取を控えた期間と多く摂取した期間で,硝酸還元菌(Rothia,Actinomyces,Veillonella)に注視し口腔菌叢の変化を調べている.インフォームドコンセントを得た3名の被験者からサンプリングと抽出DNAを用いたMiSeq(イルミナ社)での配列解読を繰り返しており,現在情報解析を行っている途中である.結果がまとまり次第,学会と論文発表を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次世代シークエンサーMiSeqの使用が遅れているため.その他の研究は順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度,27年度に得られた結果をもとに,次の研究を進める.1.硝酸摂取制限実験で得られた次世代シークエンサーデータの詳細な情報解析を進める.2.研究成果を取りまとめ,国内外の学会に発表し,さらに学術論文にまとめて発表する.
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Causes of Carryover |
次世代シークエンサーMiSeqの使用が遅れているため.その他の研究は順調に進んでいる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次世代シークエンサーMiSeqの使用による支出にあてる予定である.
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