2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌におけるMDSCをターゲットにした分子標的薬の研究
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26861576
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐藤 有紀(立石有紀) 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (60573277)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔癌 / MDSC / 分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行口腔癌に対して手術・放射線・化学療法の3つを組み合わせた治療を行っても、予後は依然満足いくものとなっていない。第4の治療法として免疫治療が期待されたが、いまだ標準治療になりえていないのが現状である。近年、癌は宿主の免疫を抑制的に制御し、免疫系による排除から逃れやすい環境を構築していることが示唆されている。特に骨髄由来免疫抑制細胞MDSC(Myeloid-Derived Suppressor Cells)がリンパ球機能の抑制に関わっていることが報告されてきている(Nat Rev Immunol. 2009, 9:162-74)。MDSCを制御する事は、癌免疫療法の手助けとなると考えられ、今回我々は分子標的(Immunotoxin)を用いて、癌のみならずMDSCをターゲットにした治療法の開発を目指し、トランスレーショナル研究を行っている。 平成26年度は、in vitroでの研究が中心となった。SCC-7の細胞株の培養を開始し、安定にカルチャーが出来ることを確認した。平成27年度は、in vivoでのマウスにSCC-7が移植できるかの条件検討を行い、その中で腫瘍サンプルや血液サンプルを採取し、MDSCの発現量を非移植群と比較し、検討を行う。 本研究において分子標的治療の抗腫瘍効果に加えて、免疫活性を含め、MDSCの抑制メカニズムを解明することは従来の抗癌剤に比較して、より効果的で、より副作用が少ない治療法の確立が非常に期待され、極めて意義深いものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞を用いた実験に留まり、マウスを使った実験に進むことが出来なかった。理由としては、臨床業務に費やす時間が増えてしまい、実験に費やす時間が少なくなったことが挙げられる。平成27年度は、上記ウエイトをバランスよくし、実験へのエフォートを上げていく必要がある。大学院生の協力も得たいと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院生の協力を得ながら、平成27年度はマウスを用いたin vivoの実験に取り組む。頭頸部領域のみならず、MDSCをターゲットにした治療法については依然報告が少なく、速やかに実験を進め、学会発表ならびに論文の投稿を目指し、推進させる予定である。
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Causes of Carryover |
研究結果の報告までに解析が至っていなかったため、予定していた学会発表に参加できなかったため、学会費用の支出がなかったことが一つの理由として挙げられる。 また、動物実験が平成27年度に行う予定となったことから、次年度使用額が生じた理由の一つである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
腫瘍移植モデルとして、平成27年度はマウスを用いた動物実験を行う。マウスの購入費用として使用する。また、研究結果が報告できるよう実験を進め、学会参加費用として使用する。
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Research Products
(1 results)