2014 Fiscal Year Research-status Report
唾液メタボローム解析によるNASH発症機序の解明と新しい診断基準の構築
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26861582
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
猿田 樹理 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30454151)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 唾液 / メタボローム解析 / NASH / 生活習慣病 / マーカー探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は、生活習慣病モデルラット(1.肥満(内臓脂肪型)モデル、2.糖尿病モデルラット、3.高血圧症モデルラット、4.高脂血症モデルラット)に慢性拘束ストレスを負荷しNASHを発症させ、唾液をメタボローム解析で検討する。これらのモデルの唾液代謝プロファイルを同定することによりNASHの代謝マップを作成することである。 *慢性拘束ストレスは21日間(6時間/日)行う。 慢性ストレスを負荷した各々の生活習慣病モデルラットに慢性拘束ストレスを負荷し、NASHを発症させ、唾液成分の変化を網羅的メタボローム解析で明らかにした。NASHに特徴的な代謝プロファイルを同定することができ、、唾液を用いたNASHの発症機序の解明およびその代謝プロファイルより特異的に変化のあった物質を同定し、NASH特異的マーカーの探索を行った。 その結果、肥満モデル、糖尿病モデル、高血圧症モデル、高脂血症モデルで各々NASHを併発したモデルの唾液には、コントロール群と比較して、脂質類(脂肪酸・リゾリン脂質・リン脂質)が多いことが明らかになった。このことから、慢性ストレスを負荷した生活習慣病モデルの唾液をメタボローム解析を行ったことにより、唾液によりNASH発症機序を解明できる可能性は極めて高くなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定通り研究が進んでいる。肥満モデル、糖尿病モデル、高血圧症モデル、高脂血症モデルのNASH発症代謝プロファイルの解析を行ったが、まだn数の不足が若干あるので、n数をもう少し増やして解析を行う予定である。 現在進行中ではあるが、上記で得た代謝プロファイルより、さらにNASH由来の唾液代謝産物を詳細に検討するために、各モデルラットごとに同定された代謝産物をそれぞれELISA法およびwestern blot法で定量的に解析している。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね予定通り研究が進んでいるので研究計画通り、動物実験の結果で同定された代謝プロファイルのうち、ヒトでの解析に応用可能なNASH特異的な代謝産物を決定し、NASH診断基準の構築に向けた基盤研究を進める予定である。 まずは、動物実験で得られたNASHの診断基準となりうる特異的マーカーの探索を行う。特異的なマーカーを探索するにあたっては、判別分析など全代謝産物の傾向で分離を行うだけでなく、将来的に簡易測定器でも検査ができるように少数の物質だけで精度よく分離できるマーカーの組み合わせを探すことを重点とする。
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Causes of Carryover |
本年の研究計画はおおむね順調に進んでいるが、モデルラットの飼育数が少なく、ラットの購入費用と特殊飼料の購入費用の分だけ差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の計画では、唾液の解析を行いながら、同時並行してモデルラットのn数の増加と特殊飼料の購入を行う予定なので、当初の計画通りに経費を使用する予定である。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Relationship between brain-derived neurotrophic factor and stress in saliva and salivary glands2014
Author(s)
Saruta Juri, To Masahiro, Hayashi Takashi, Kawashima Rie, Shimizu Tomoko, Kamata Yohei, Kato Momoko, Takeuchi Mifumi, Tsukinoki Keiichi
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Journal Title
Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology
Volume: 26
Pages: 379-389
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Effects of weekly one-hour hatha yoga therapy on resilience and stress levels in patients with schizophrenia-spectrum disorders: A randomized controlled eight-week trial.2015
Author(s)
Ikai Saeko, Suzuki Takefumi, Saruta Juri, Tsukinoki Keiichi, Kitahata Ryosuke, Tani Hideki, Nagai Nobuhiro, Endo Aki, Otani Ai, Mimura Masaru, Fujii Yasuo, Uchida Hiroyuki
Organizer
15th International Congress on Schizophrenia Research
Place of Presentation
Colorado Springs, Colorado, USA
Year and Date
2015-03-28 – 2015-04-01
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[Presentation] Relationship of sleep bruxism and migraine.2014
Author(s)
Kato Momoko, Saruta Juri, Takeuchi Mifumi, Igarashi Hisaka, Kawata Toshitsugu, Tsukinoki Keiichi
Organizer
4th European Headache and Migraine Trust International Congress
Place of Presentation
Copenhagen, Denmark
Year and Date
2014-09-18 – 2014-09-24
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