2014 Fiscal Year Research-status Report
ビスフォスフォネート存在下の骨代謝におけるγδT細胞の意義
Project/Area Number |
26861583
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
堂前 英資 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50454559)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | γδT細胞 / Vγ9Vδ2T細胞 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトγδT細胞を末梢血単核球細胞からビスホスホネートとIL-2で増幅することで、5ドナーからのγδT細胞を用いた実験を行った。いずれのドナー由来のγδT細胞も93%以上がVγ9Vδ2 TCRを発現していた。全てのドナーから得られたγδT細胞が、活性化刺激によりインターフェロンガンマの発現及びグランザイム、パーフォリン、TRAIL、FASLなどの細胞傷害性因子の発現を確認した。以上の結果から機能的なγδT細胞を増幅することができ、以降の実験に使用した。 ヒト骨肉腫由来MG-63細胞を用いたγδT細胞との共培養を行った。MG63細胞をビスホスホネートで処理することにより、ビスホスホネートの濃度に依存してMG63細胞がγδT細胞を活性化することを、γδT細胞によるインターフェロンガンマ発現と細胞表面の活性化マーカーで確認した。さらにこの活性化γδT細胞がMG-63細胞を殺傷することを、Annexin Vをマーカーとしたアッセイで確認した。この細胞傷害活性はアトロバスタチンの存在下で抑制されることを確認した。また、パーフォリンの阻害剤であるコンカナマイシンAにより細胞傷害活性が阻害された。 上記の結果からin vitroでは骨肉腫由来の株細胞であるMG-63がビスホスホネートの濃度依存的にγδT細胞を活性化することが明らかとなった。また、活性化したγδT細胞は細胞傷害性のエフェクター分子を発現し、これを介して骨芽細胞株を殺傷することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初γδT細胞の増殖がうまく行かなかったが、ドナーを変更することにより解決した。またビスホスホネートを作用させた細胞との共培養により、γδT細胞の活性化が当初の予想よりも容易に得ることができた。また活性化γδT細胞による細胞傷害活性が当初の予想よりも容易に確認できた。 以上のことから、当初の研究計画通りに研究が達成していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記の研究実績の概要のようにin vitroでは骨肉腫由来細胞株をγδT細胞が殺傷することがわかったが、正常な骨芽細胞でも同様にγδT細胞を活性化し、この細胞の標的になるかを確認する必要がある。また、in vitroで得られた結果がin vivoでも同様に得られるかを確認する必要がある。27年度はこれらの点を検討し、26年度に得られた結果の解釈とこれがphysiological relevanceのあるものかどうか、確認する研究を行う。
|
Causes of Carryover |
年度末に業者より購入予定であった試薬が、当初の予定よりも納入が遅れることが明らかとなり、国内在庫のある小容量の同一試薬に変更・購入したために、4,123円の差額が残ったため、次年度の試薬購入費用として繰り越した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述の理由により、小容量で購入した試薬を追加購入する費用として用いる。
|