2014 Fiscal Year Research-status Report
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26861592
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
荒牧 音 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (60634615)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | う蝕 / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
う蝕は口腔内常在菌による感染症であり、う蝕が象牙質深くまで進行し歯髄まで達すると歯髄炎を誘発し、不可逆的な歯髄壊死をもたらすこともある。しかし、う蝕歯髄に近接した場合にも、不可逆的な歯髄壊死を起こさないことがある。この両反応の違いがどのようなメカニズムによって起きているのかは未だ解明されておらず、この両メカニズムが明確になれば、治療における歯髄保存の判断に用いることができるだけでなく、今後の歯髄再生医療における治療の一助になると考えられる。そこで、本研究では、ラットう蝕モデルを作成し、ラット歯髄における樹状細胞のサブセット及び局在の検討、更に所属リンパ節での樹状細胞の機能を調べることで、う蝕による歯髄の感染の病態メカニズムの解明を目的とする。ラットう蝕モデルを用いての歯髄の免疫応答の詳細な検討はこれまで報告されていない。本研究では、免疫染色とフローサイトメトリー法を行うことで、樹状細胞の局在のみならず、細胞の割合やその変化を検討することができる。また、歯髄における免疫応答は、自然免疫が優位との観点から、歯髄局所のみの反応と思われているが、本実験においては、所属リンパ節における獲得免疫系の関与も含めた検討を行うところが独創的な点である。歯髄の樹状細胞のサブセット解析を行い、明らかにすることで、う蝕による歯髄炎においてこれまで考えられていた自然免疫応答だけでなく、獲得免疫系にも関与があること、またその機能を示すことにより、今後の治療方法への新たな足がかりとなる可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
染色によりサブセットを同定し、学会発表を行った。 またフローサイトメトリーの予備実験も順調に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、ヒト細胞を用いた染色およびフローサイトメトリーを行い、樹状細胞の機能動態解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
予備実験に時間がかかり、抗体購入が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表、抗体購入費に使用予定である。
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