2014 Fiscal Year Research-status Report
菌体外マトリックス関連遺伝子がバイオフィルムの抵抗性に及ぼす影響の検索
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26861593
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 れいこ 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 特任研究員 (70636133)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオフィルム / Porphyromonas gingivalis / 菌体外マトリックス / 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病原性細菌の 1 種である Porphyromonas gingivalis バイオフィルムの菌体外マトリックス産生に関与する遺伝子 PGN_0088 に着目し、バイオフィルムの物理的・化学的抵抗性に対する PGN_0088 の影響について解析するため、遺伝子工学的手法を用いて PGN_0088 欠損株を作製し、形成されたバイオフィルムの超音波および抗菌薬に対する抵抗性を野生株および相補株と比較することにより PGN_0088 の機能について検討した。 その結果、PGN_0088 欠損株が作成したバイオフィルムの超音波および抗菌薬に対する抵抗性は野生株および相補株と比較して有意に高く、PGN_0088 はバイオフィルムの物理的・化学的抵抗性に関与することが示唆された。 また、P. gingivalis バイオフィルムに対して著効を示すことが明らかとなっている、マクロライド系抗菌薬であるアジスロマイシン (AZM) およびエリスロマイシン (ERY) のバイオフィルム中への薬剤浸透性を調査した結果、PGN_0088 欠損株のバイオフィルムは、野生株および相補株と比べて AZM および ERY の浸透が有意に低下した。 これらの結果より、PGN_0088 はバイオフィルムの菌体外マトリックス産生に関与することにより薬剤浸透性に作用し、それによりバイオフィルムの化学的抵抗性が間接的に影響されると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26 年度における実施計画に順じて、研究が順調に遂行されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
27 年度の研究実施計画の通り、転写因子である PGN_0088 に制御される遺伝子について調査し、それら遺伝子とバイオフィルム形成の関連性について検討する。
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Causes of Carryover |
研究代表者が当該年度中に妊娠・出産し、妊娠中および産前産後の休暇の期間中は参加予定であった学会等の全てには出席出来ず、計上していた国内および海外旅費の大半を使用しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者は既に産前産後の休暇より復帰しており、当該年度中に計画していた研究は全て終了している。 よって、27年度は研究実施計画の通り研究を遂行し、加えて、学会発表や論文執筆等による成果発表を積極的に行う。
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Research Products
(1 results)