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2014 Fiscal Year Research-status Report

Sr-Caを特異的に徐放する生体機能性セメントの開発

Research Project

Project/Area Number 26861594
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

騎馬 和歌子  大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招聘教員 (10523087)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords保存修復学 / バイオガラス / イオン溶出 / 無機セメント
Outline of Annual Research Achievements

試作バイオガラスの作製:SiO2-Na2O-CaO-P2O5-SrO系生体活性ガラスを作製する。Na2O 24.5wt%, CaO 24.5wt%, SiO2 45wt%, P2O5 6wt%の組成ガラスをcontrolガラスとして、Srを6wt%、12wt%をCaと代替した3種類の試作ガラスを作製した(Sr6, Sr12)。SiO2, Na2CO3, CaCO3, NaH2PO4・2H2O, SrCO3を白金るつぼに入れ、1200℃にて2時間焼成を行ったのち、ステンレスの容器にて急冷し、バイオガラスを得ることができた。
XRD分析:非結晶(ガラス)であることを確認した。蛍光エックス線分析:作製したバイオガラスの組成がおおよそ設計通りにできていることを確認した。
遊星ボールミルによるバイオガラスの粉砕:ジルコニア容器にガラス粉末:ZrO2ボール=1 : 10にて投入、回転数150rpmにて5時間大気中で粉砕を行うと、SEM観察および粒度測定により、平均粒径5~10μmの市販の無機セメントと同レベルの細かさの粉末が得られることが判った。
バイオガラスのイオン徐放特性の評価 (ICP分析) :上記にて粉砕したバイオガラス(セメントさじ1杯)を蒸留水10mlに浸漬し、21日まで成分を溶出させる。回収した溶出液をICP発光分光分析法を用いて含有するSr, CaおよびSi濃度を測定した。その結果、日が経過するごとにイオン溶出濃度は高くなり、SrイオンはSr12>Sr6>controlの順で配合比率と溶出濃度に相関がみられた。試作セメントのイオン徐放特性の評価:試作バイオガラスと既成のGICを1 :4にて混和し、試作セメントを作製し、21日まで蒸留水に浸漬し、溶出するSr, CaおよびSiイオン濃度を測定したところ、初期の溶出濃度が高いものの、21日までイオンの持続的な溶出が確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度は試作ガラスおよび試作セメントの作製方法の検索および作製に時間を割いた。立ち上げていく実験であるので、細かい方法の検索に時間を要した。
バイオガラスの粉末まで作る過程の確立および、できたガラスの特性評価を主に行い、硬組織形成細胞を使用した実験はまだ行えていないので、少し遅れている。

Strategy for Future Research Activity

試作セメントの作製に重点を置く。さまざまな種類のガラスを設計し、作製し、それを組み合わせて、セメントとして使用でき、かつ、硬組織形成細胞の分化を促進する作用をもつ材料の組成を決定していく。バイオガラス粉末の作製手順は今年度確立できたので、滞りなく行えると考えられる。
まず、今年度作製した既存のセメントと試作バイオガラスを組み合わせた試作セメントの硬組織形成細胞の増殖、分化、石灰化に対する影響を検索する。具体的には、細胞は、マウス由来の骨芽細胞様細胞であるMC3T3-E1を使用し、試作セメント上で細胞培養を行ったのち、MTTアッセイおよび付着細胞のSEM観察により細胞の増殖を評価し、ALP活性測定およびアリザリンレッド染色により細胞の分化を評価していく。
そのデータをもとに、試作バイオガラスをすべて自分で設計したものを作製、試作無機セメントを作製する。万能試験機を用いて、セメント硬化体試料の圧縮強さを測定し、被膜厚さの測定:、ビッカース硬さを測定し、セメントの材料特性を評価する。また、今年度と同様に、セメント硬化試料を蒸留水に浸漬し、37℃で静置し、1, 3, 7, 14, 21日まで成分を溶出させ、回収した溶出液を直径0.22 μmのフィルターにて濾過し、ICP発光分光分析法を用いて含有するSr, CaおよびSi濃度を測定する。また、同様にMTTアッセイ、ALP活性測定およびアリザリンレッド染色を行い、試作セメントの細胞の増殖、分化、石灰化促進作用の検討を行い、硬組織形成細胞の分化を促進する生体機能性セメントの開発を行っていく。

Causes of Carryover

今年度は試作ガラスおよび試作セメントの作製方法の検索および作製、できた材料の確認実験を主に行ってきたので、他の研究室の協力を得られたので、材料費や材料作製、および分析にさほど費用がかからなかった。また、硬組織形成細胞を使用した実験は次年度にすることにしたので、細胞培養や細胞を使用した分析に必要な消耗品の費用を使用しなかった。これらのことが次年度使用額が生じた主な理由であると考えている。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は、今年度に引き続き、ICP発光分光分析を何度も行う必要が出てくると考えられるので、その分析にかかる費用が増えると考えられる。また、硬組織形成細胞を使用した実験を開始するので、細胞培養、細胞増殖試験、ALP活性測定、およびアリザリンレッド染色を行うための消耗品の購入が増えると予想される。学会発表を予定しており、かつ、論文投稿も予定しているので、成果発表の旅費および論文校正費用および投稿費用も必要となってくる。これら次年度の主な研究費の使用目的となると考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Mechanism of detoxification of the cationic antibacterial monomer 12-methacryloyloxydodecylpyridinium bromide (MDPB) by N-acetyl cystene.2015

    • Author(s)
      Ma S, Chen JH, Imazato S, Takahashi Y, Kiba W, Takeda K, Izutani N, Kitagawa H.
    • Organizer
      The 6th International Congress on Adhesive Dentistry
    • Place of Presentation
      Bangkok, Thailand
    • Year and Date
      2015-01-31

URL: 

Published: 2016-06-01  

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