2014 Fiscal Year Research-status Report
体性幹細胞ホーミング因子による新規歯髄再生誘導技術の開発
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26861598
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松裏 貴史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10721037)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯髄再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
具体的内容 去年の夏と今年の冬の2度に渡り、細胞培養室を含めた実験室の移転あったため、Vitroの実験はせず、ラットを用いたVivoの実験を計画し、最初に行うことにした。まず、直接ラットの切歯を抜髄し、根管内にサイトカイン含有コラーゲンを注入することにより歯髄を再生することを試みた。しかし、ラットの切歯を抜髄するにあたり手技的な難しさがあり、根尖まで#60まで拡大することが出来なかったため、断念した。次に、歯内療法実習用の歯牙根管模型を#60まで拡大し、サイトカイン含有コラーゲンを注入し、ラット背部皮下へ移植して歯髄再生を誘導させる実験を行った。そして、歯牙根管模型の根尖部に細胞が上がってきたことが各種染色により確認出来ている。この誘導された細胞に関して、更に解析を進めたうえで、関連学会及び関連学会誌への発表を考えている。 意義、重要性 歯髄組織が歯冠部まで上がってこなくとも、根尖部には細胞が上がってきているため、この現象を利用し、根尖部の緊密な封鎖を細胞にさせることで、慢性根尖性歯周炎になることを防止できる状態に回復することを目指す。つまり、今までの方法では、抜髄後、コアや冠の不適合によるコロナルリーケージや二次カリエスが生じた際、細菌が根尖まで侵入し、根尖性歯周炎を発症するが、根尖部が歯髄で緊密に封鎖されていれば、根尖外の歯周組織が保護されるため、根尖性歯周炎の発症を予防できると考える。そして、根尖性歯周炎の発症を予防することが可能になることにより、根管治療の難症例化の防止に役立つであろうと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたVitroの実験は行っていないが、ラットを用いたVivoの実験より、根尖に細胞が誘導されたことが確認でき、今後この系を手がかりにして実験を進めていくことが可能であるため、本実験はおおむね順調に進んでいるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的にはこのまま今現在行っているvivoの実験を継続していく。歯髄組織が歯冠部まで上がってこなくとも、根尖部には細胞が上がってきているため、この現象を利用し、根尖部の緊密な封鎖を細胞にさせることで、慢性根尖性歯周炎になることを防止できる状態に回復することを目指す。つまり、今までの方法では、抜髄後、コアや冠の不適合によるコロナルリーケージや二次カリエスが生じた際、最近が根尖まで侵入し、根尖性歯周炎を発症するが、根尖部が歯髄で緊密に封鎖されていれば、根尖外の歯周組織が保護されるため、根尖性歯周炎の発症を予防できると考える。今現在は人工歯を用いて実験を行っているが、今後ヒト抜去歯を用いて同様の実験を行っていく。
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Causes of Carryover |
実験計画の変更により、実験に用いる使用額が変更したため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
サイトカインやコラーゲンなどの物品費に主に使用する予定である。
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